市民の信頼を防犯の力に

　○...茅ヶ崎市、寒川町を管轄する茅ケ崎警察署の署長に就任した。喫緊の課題として挙げるのが「自転車の事故」。「昨年比で件数自体は減少傾向にあるものの、事故が発生していることに変わりはない。管内は道が平坦な分、自転車の利用者も多い。これからイベントが増えてくれば、人の流れも一変する。気を引き締めていきたい」

　○...横浜市出身。父親も警察官で「夜中でも現場に向かう姿が今でも記憶に残っている」。高校卒業を前に進路に悩んだ際、警察官募集のパンフレットを目にし「社会の役に立ちたい」と父と同じ道に進むことを決めた。以来、41年のキャリアで長く携わったのが、窃盗や詐欺などの「盗犯」に関する業務。「強盗事件などは減ったが、最近はスマートフォンを利用した『非接触型』の犯罪が多い。その分、より身近になり、巻き込まれる可能性も高まっている」と警鐘を鳴らす。

　○...「時々、若手から辞めたいと思ったことはないかと問われる。転職が珍しくない時代だが、私は警察官が一生の仕事としてふさわしいと思っている」と言葉に力を込める。「警察官は市民の信頼があってこそ成立する仕事。署員が意識高く仕事に取り組んだ結果、特殊詐欺や事故が減る。そういうよい循環を作っていけたら」

　○...就任から１カ月が過ぎ、「うるさいと思われるかもしれないけれど、全員の名前と顔を覚えたい」と庁舎内を歩き回り署員と積極的にコミュニケーションをはかる。「毎日があっという間」と話すが、健康管理のためのジム通いは「もったいない精神で行くと続く」と笑顔を見せた。ウォーキングも趣味で「地図を見て勉強中。時間が出来たら管内を歩いて回りたい」と話している。