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弱者の声、映画で伝える 小池征人監督の展示会

教育

掲載号:2018年2月8日号

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展示の前に立つ小池さん(右)と佐伯館長
展示の前に立つ小池さん(右)と佐伯館長

 平塚舞台の映画構想も

 袖ヶ浜在住のドキュメンタリー映画監督、小池征人さん(73)の展示会が南図書館で3月2日(金)まで開催中だ。小池監督はこれまで15作品を手がけ、『ドキュメント89脱原発元年』と『免田栄・獄中の生』で毎日映画コンクール記録文化映画賞を受賞している。

 「自分が撮ってきた映画をこうしてまとめてもらうのは初めて。ありがたいことです」と小池監督は目を細める。今回の展示は佐伯啓介館長のラブコールで実現。作品の見所をまとめた当時の宣材資料や監督の生い立ち、映画界に足を踏み入れるルーツをたどる資料をそろえた。

 初監督作品の『薬に病む クロロキン網膜症』(1980年)は、薬害裁判で使用する資料として制作したものだった。薬の副作用によって視野が狭くなったり、穴が開いているように見えたりするクロロキン網膜症患者の日常を追う中で出会った、18歳の少女のことは今も鮮明に覚えているという。「大人として歩み出そうという時期に、就職もできず部屋にぽつんといる彼女を、どう撮ろうかと心が揺れました」と小池監督。恋をすることもできないと語り、手探りで洗濯物を取り込む彼女の背中は薬害の辛さ、理不尽さを何よりも雄弁に語ってくれた。「マスコミが拾わないだけで、こちらから足を運べばたくさんの言葉や思いが眠っている。ドキュメンタリーを撮り続けようと思ったシーンでした」と振り返る。

 部落差別や冤罪被害、児童養護施設など、制作のオファーをもらうたびに、取材テーマを自分の人生と重ね合わせた。「僕は満州で生まれ、もう生きられないかもしれないと言われるほど衰弱したこともあった。母親は未亡人で苦労も多く、まちの人たちと助け合っていた。そんな生い立ちが、弱い立場の人に近づきたいと思わせたのかもしれない」と話す。

 13年前、「地域への挨拶状」として初めて作品を平塚で上映した。「近頃は、僕が死んだときに『あの映画の監督さん』と言われるようなものを残したいと思うようになった。平塚には漁業や農業に支えられ営まれた豊かな暮らしと、戦災の歴史がある。長年暮らしたこのまちで記録映画を撮ってみたいですね」と、小池監督は構想をゆっくりとあたためている。
 

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