「育児本を読んでも上手くいかない」「自分が思う母親像に遠くて罪悪感がある」など悩む母親を支援するため、マザーズコーチング講師の宇佐美陽子さん(平塚市在住・38)が専門知識を活かして講演活動などを実施。孤立して悩まぬよう呼びかけ、子育てママを応援している。
宇佐美さんは平塚生まれの平塚育ち。東京アナウンスアカデミースポーツ科に進み、2001年からFM湘南ナパサをはじめ、各地のFM局でラジオパーソナリティーとして活躍してきた。
08年に親元を離れ宮城県名取市に転居し、出産を機に子育てに専念。10年に第2子を出産し、その半年後に東日本大震災を経験した。「2歳と0歳児を抱え、子育ての疲労と生活の不安で精神がパンクする寸前。もう少しで子供に手をあげそうだった」と振り返る。そんな中で「コーチング」技術に出会った。
対話によって本来持っている能力を引き出すコーチングは、子育ての場でも応用されているコミュニケーション技術。「『目を見て』ではなく、『おへそを向き合うように』と子供のわかる言葉で話す。たったこれだけでも劇的に子供との関係性が変わった」。興味を持った宇佐美さんは、子育てに特化した技術を指導するNPO法人トラストコーチングで、性別や発達段階に応じた親子のコミュニケーションについて専門的に学び、認定講師の資格も取得した。
子供の小学校入学を機に平塚市へ戻り、14年から本格的に講師業をスタートさせた。商業施設や小中学校などで講座や講演を年間40回以上開き、これまでに約1000人の母親の悩みに耳を傾けてきた。
母親たちの課題の根底には、女性の社会進出など時代の変化から、これまでの家族のあり方、考え方が今の時代に合わないことによる苦悩があるという。「誰にも悩みを打ち明けられず孤立する母親が多い。悩みを共有・共感する場作りが今こそ必要」と、講座では必ず一人ひとりが悩みを発表する場を設けている。「『今日は笑顔で子供と過ごせそう』と帰ってもらえれば本望」と宇佐美さん。
今後は、母親たちのコミュニティー作りや、被災した経験を活かし母子を対象とした防災への取り組みにも挑戦していくという。「平塚市のママの力になれればうれしい」と微笑んだ。
|
<PR>
平塚版のローカルニュース最新6件
|
|
|
|
|
|
|
<PR>