マラウイだより 第4回 何でも頭に載せて 運ぶマラウイマン JICAシニア海外ボランティア 政金驍（たけし） （二宮町出身）
チェーンソーを運ぶ男性
ブランタイヤマーケット周辺では、頭にかごを載せて物を売り歩く女性を見かけます。かごの中はバナナ、オレンジ、ピーナッツなどいろいろです。通りを歩いていると、カバンや大きなお菓子のいっぱい入った袋、あるいは薪、とにかく運べるものは何でも頭に載せています。20kgはあろうかと思われる水の入ったポリバケツを頭に載せて運ぶ女性を村の水道の周辺で見ることが出来ます。実に器用にバランスを取りながら運ぶ様子は、マラウイならではの風景でしょう。
私も日本から送ってもらった荷物を頭に載せて運んだ事がありますが、とても難しく、途中で落としてしまいました。2回目の時はダンボールを頭に載せて歩いていたら、通りの向こうから、「お前はマラウイアンでもないのに何で頭に載せて運ぶのか」と言ったのだろうと思いますが（チェワ語ですから意味不明です）、声が掛かったのにはびっくりでした。人間の首の力はどの位の重さに耐えられるのでしょうか。
職場の近くにクイーンエリザベス病院があります。退院した人の寝具らしい大きな荷物を頭に載せて運んでいる女性に会いました。すれ違い様、背中を見ると赤ちゃんを背負っているではありませんか。これには私だけではなく、周囲のマラウイアンが一様に驚いた表情を見せていましたから、本当に凄かったのだと思います。
大きな荷物でも重い物でも頭に載せて運ぶマラウイアンは、子供の頃から首とバランス感覚を磨いているようです。一朝一石には出来ないはずです。男性より子育て中の女性が圧倒的に多いですね。女の人はどこの国でも逞しいです。
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政金驍さんはアフリカ大陸南東部のマラウイ共和国に自動車整備技術指導者として赴任中。現地からの報告を紹介します。
