マラウイだより 最終回 海外ボランティアを志す人へのメッセージ JICAシニア海外ボランティア平成21年度第4次隊政金驍(二宮町在住)
私の二宮町でのボランティアは、町づくり委員会への参加に始まり、葛川の清掃作業、ITクラブと続いた。これらのボランティア活動は仕事の傍ら続けられた。退職を機にこのまま家に引きこもる生活には抵抗を感じ、自分に出来る事はないか、出来る事があればそれは何処でも良い。そう考えて行き当たったのが、JICA海外シニアボランティアであった。ここで私の夢は一挙に膨らんだ。
一次試験、二次試験、派遣前訓練と高いハードルが幾つもあった。ダメで元々と言う軽い気持ちから始めたが、段々テンションが上がっていくのが自分でも実感できた。派遣前訓練が終わったのは奇しくも2年前の3月11日。福島県二本松市にある二本松海外協力隊訓練所で行われた初日の入所式の熱気に興奮を覚えたのは私だけではないであろう。その時の生活班の仲間は同期の友として、互いの無事な帰国を喜び合った。
生活習慣の異なる地での活動には常に困難が付きまとう。これを乗り越えて活動を続けなければならない。全て自分でやらなければ誰も何もやってくれない。私が2年間のボランティア生活を通じて一番上達したのは料理だろう。三食をしっかり食べる事から全てが始まる。難しく分からない事をやるのには勇気が要る。勇気を出して物事を進めると必ずや道は開ける。これが分かった事は大きな収穫だった。
ボランティア活動は、必要とする人のためにやるのであるが、それを通して自分自身も成長させられるという大きな恵みを得る事が出来る。特に若い時にこのような経験をする事はその後の人生に大きな糧を得られるであろう。サブサハラと言われるサハラ以南のアフリカ諸国では援助(お金だけではなく教育や技術)を必要とする国々がまだまだ多く存在する。そこでの生活は困難であるがそれに伴う喜びもまた大きい。
アフリカ・マラウイでの2年間のボランティア活動を終え、無事帰国する事が出来た。私の周辺で常に支えてくれた人達に感謝の気持ちを捧げたい。この2年間での経験は私にとって大切な宝となった。
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政金さんはアフリカ大陸南東部のマラウイ共和国に赴任。ブランタイア市役所車輛整備課で自動車整備技術の指導にあたり、今年3月に帰国。
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