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大磯・二宮・中井 コラム

公開日:2017.02.17

子育ての語らい㊷
発表会のハプニングと人生

 兄弟でレッスンに通っているYくんは中学2年生。「家ではお兄ちゃんよりも練習しているんですよ」とお母さんが言います。そんなYくん、一年に一度の晴れの舞台、発表会で大きなハプニングが起きました。



 演奏中に止まってしまって、何度もそこから弾き直そうとするものの、弾き直しても弾き直しても、違う音を掴んでしまうのです。Yくんの動きが止まり、沈黙が訪れ、客席は水を打ったように静かになってしまいました。



 楽譜を持って行きたくても私の手元には楽譜はなく、どうしてあげることもできませんでした。私は彼の後ろ姿に向かってメロディーを歌い、膝を叩いて、リズムを取りました。それが聞こえたのか聞こえなかったのか、彼はまた弾き始め、そして最後まで弾ききりました。



 会場から大きな拍手が湧き起こり、私も舞台の袖から精一杯の拍手を送りました。彼の演奏に人生を見た思いがしました。『どんな難題がおきても自分自身が頑張ること』、『周りの仲間は応援や励ましは伝えられても、自分がやり遂げなければ進まないこと』をきっとYくんは学んだと思います。彼は泣きもせず、逃げもせず、やりきりました。立派でした。

 

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