大磯・二宮・中井版 掲載号:2018年2月23日号 エリアトップへ

物語連想する作品を撮影 二宮の写真家 じえ紗友梨さん

文化

掲載号:2018年2月23日号

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北口商店街の空き店舗に作品を展示したじえさん
北口商店街の空き店舗に作品を展示したじえさん

 吾妻山公園の菜の花の見ごろに合わせて、二宮駅周辺の商店など約40カ所を会場に服飾や陶芸、皮製品、手作り小物などの作品を一斉に展示する「菜の花アートフェスティバル」が2月3日から12日まで開催された。その中で異彩を放つモノクロ写真があった。

 桜の花の下で顔を向かい合わせる二人の女性。ひとりはヌードで、その顔は布で覆われている。昭和の名残が漂う、空き店舗の壁板に並んだ写真。どこか怪しさや退廃といった言葉を連想させる作品だ。

 「闇夜桜月」と題したこのシリーズ作を出展したのは、同町在住の写真家じえ紗友梨さん(36)。「桜の樹の下には屍体が埋まっている!」とつづった梶井基次郎の短編小説の世界を写真で表現した。「美と汚れたものとの対比、美しさへの畏怖や耽美的な死生観を作品に込めました」と話す。

 人物は都内のスタジオで撮影。桜は地元の二宮で夜間に写し、それらを合成して作品を仕上げたという。

 「好景気を知らない松坂世代」と称するじえさんは大学卒業後に就職。女性向けの写真教室にトライアルで参加したことを機に、セルフポートレート作品「羽化」「水花葬」などを発表した。「初めの頃はモデルがいなかったので、自分を撮ったんです」

 今ではモデルを撮影する機会も増えたが、裸の同性を前にしてその美しさや迫力に圧倒されたことがあったという。「被写体に負けたと思いました」

 日仏現代国際美術展(東京都美術館)や現展(国立新美術館)、ニッコールフォトコンテストなどで入選。2012年から都内のギャラリーやサロンなどで開かれる個展やグループ展で精力的に作品を発表している。じえさんは中国に留学した経験があり、名前の「じえ」は苗字の中国語読みからとったという。

 実は、今回の出展に際しては少し不安があったと打ち明ける。「日常生活の場の商店街に私の作品を出したら、クレームが来るかもしれないと思いました」。心配をよそに、地域の人たちには新鮮な驚きを持って受け入れてもらえたようだ。

 「『何だこれは』という驚きや衝撃的な出会いそれ自体がアート体験になる」とじえさん。若い作家が地元で作品を発表する機会が増えることに期待している。

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