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明治150年記念連載 大磯歴史語り 第33回「原敬【8】」文・武井久江

掲載号:2019年11月8日号

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 今回で原敬、終焉を迎えます。活動はまだあります。『朝敵・賊軍の汚名をそそぐこと』。戊辰戦争殉難者50年祭で詠まれた祭文「昔日もまた今日のごとく国民誰か朝廷に弓を引く者あらんや、戊辰戦役は政見の異同のみ」です。また皇室の民主化として、『皇太子(昭和天皇)のヨーロッパ外遊を許可』、『摂政(病気の天皇に代わって政務を行う)の設置』等。そして原、暗殺のきっかけになったのが『平和外交への転換』です。アメリカ重視の協調外交。中国との関係改善等。暗殺の動機として、弱腰外交(シベリアからの軍隊撤退やアメリカとの協調外交)や政友会党員の汚職事件などを、犯人の中岡艮一(18歳・大塚駅の駅員)はあげています。大正10年(1921)11月4日、午後7時25分、東京駅丸の内南口改札口近くで、ナイフを持った男に胸を刺され、ほぼ即死でした。

 悲しいことに、このきっかけを作ったのが、大磯に別荘を構えた「銀行王・安田善次郎」が同年の9月28日に朝日平吾という刺客に殺されたことが引き金になりました。新聞等が、この犯人をヒーロー化して報道をしました。中岡は、この事から計画を実行しますが11月4日を迎えるまでに彼は、3回失敗しています。2回は警備が厳しかった。今一度は渋滞で現場に間に合わなかった。では、当日は何故このような結果になったか、【1】東京駅からホームまで直ぐなので、常駐の警備の人を休ませた。【2】奥様からフロックコートを着用してと言われたが、駅からすぐだからと断った(コートの厚さは、3センチ以上あり、着ていたら即死は免れた)。

 この時着ていたスーツ(パリのテーラーで仕立てた、スリーピースに白地にピンクの縦縞シャツ)が記念館に飾られていますが、血がにじみオレンジとピンクの格子柄に見えたことに涙が出ました。お墓がある大慈寺に、前もって妻の浅が「自分が埋葬される時は、原と同じ深さに埋めてほしい。『あなた』と呼ぶのに上か下か解らないのは困ります」とお願いしたそうです。仲の良いご夫婦でした。(敬称略)
 

大慈寺に並ぶ原敬と妻・浅のお墓
大慈寺に並ぶ原敬と妻・浅のお墓

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