石神台から英会話動画を発信する トム・ギルさん 大磯町石神台在住 59歳
日本を愛し、探求を続ける
○…石神台のホームページで、動画シリーズ「トム・ギルさんの英会話」を配信中。「簡単で日常的に使える英会話の習得や、石神台のPRに役立てていれば嬉しい」と流ちょうな日本語を操り、朗らかな笑顔を見せた。初来日から37年。大学教授として学生を指導しながら、母国より長くなった日本での生活を楽しんでいる。
○…実家は英国のオックスフォードにある。大学進学前に行ったヒッチハイクでイスラエルを訪れた際、参加したキブツの農園でのパートナーが日本人だった。「その時に日本の話を色々と聞いた。帰国後も太宰治など日本文学の英訳版を贈ってくれたので、日本に興味をもった」と振り返る。就職活動の際に見かけた「日本の学校で働きませんか」というポスターに心をひかれたのも、自然な流れだったのかもしれない。
○…1983年に英語のアシスタントティーチャーとして山梨県の高校に赴任。2年後に縁あって通信社に勤務して日本語の記事を英訳するうちに、自身でも記事を書くようになった。ドヤ街で日本の日雇い労働者問題を取材したことをきっかけに一度英国に戻り、ロンドン大学で社会人類学を学んで博士号を取得。論文のテーマにした日本のドヤ街についての著作は何冊もある。日本に戻り研究を進めながら、大学教授として後進を指導。東日本大震災の際には発生翌月に福島県へ赴いて現地調査を行い、原発をテーマにした共著本もある。その時に取材した飯舘村の住民とは現在も親交が続く。
○…閑静で住みよい環境を求めて8年前に夫婦で大磯へ。土地の歴史や文化を感じながら散歩するのが趣味。温泉も好きで長風呂派。家でも入浴の際には「温泉の素」が欠かせないとか。
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