コロナ禍による農産物の需要低迷で苦境に立たされている生産者を支援しようと、大磯町内で民間主導の野菜即売会が企画されている。飲食店の時短営業などの影響で出荷先を失った農産物を販売することで食材廃棄を防ぐとともに、地場野菜の魅力の再発見にもつなげようというもの。同時に町内限定の食品デリバリーサービスを開始しようという動きも進む。
新型コロナウイルス流行の長期化は、生産者の中にも深刻な影響を与えている。有機・無農薬栽培にこだわり、主にホテルやレストラン向けの野菜を栽培している石井雅浩さん(カウ・ベルfarm代表)の農園でも、取引先の休業や青果市場の入荷制限などにより、収入減や野菜の廃棄処分などの問題を抱えている。さらに新たな納品先として畑を拡張して準備を進めていた大磯港賑わい交流施設の2月プレオープンが中止になった(3月下旬の全面開業予定は変更なし)ことから、大量の野菜が行き場を失うことになり、廃棄も検討していたという。
この話を聞いた池田東一郎県議会議員と芦川酒店の芦川博昭さん、大磯で宅配サービスの開業を予定している飯島輝華さんらが実行委員会を作り、他の生産者にも声をかけて今回の即売会を企画した。芦川さんは「他にも町内で困っている人がいれば第2弾、3弾と続けていきたい」と語り、池田県議も「地元の良い商品に目を向けるきっかけにもなれば」と期待を寄せる。
20・21日に即売会
地元産野菜の即売会「大磯下町野菜マルシェ」は、2月20日(土)・21日(日)に芦川酒店(大磯1422)隣の駐車場で午前9時から正午まで開催。地場野菜の詰め合わせを1袋1000円(税込)で販売する。野菜はロマネスコやブロッコリー、白ネギ、カラーニンジン、ケール、サニーレタスなどの中からランダムで封入。人同士の接触時間を減らすため、中身を選ぶことはできない。1日約100袋限定で、購入数の制限はなし。石井さんは「当日は、値段以上の野菜を詰めて提供させて頂きます。食べてもらうために成長してきた野菜たちも喜んでいると思います」と感謝する。
また野菜を入れるレジ袋には「今回のコンセプトに合っている」と、大磯町観光協会が製作したバイオマス素材を25%含んだeco袋を使用するという。
食品の宅配代行も
即売会の実行委員長も務める飯島さんは、今春から会員制の食品宅配代行サービス「OISO Deli(オオイソ デリ)」の開業にむけて準備を進めている。「高齢者などの買い物難民の解消と地元商店・飲食店の復興につなげて、いずれは町全体の繁栄に寄与できれば」と将来像を描く。今回販売する野菜の配達にも対応していくという。入会などの問い合わせは【電話】050・3743・3322へ。
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