大磯町特産の生食向け赤タマネギ「湘南レッド」の出荷シーズンが近づいた5月19日、JA湘南大磯支所で生産者や市場関係者らが出荷規格や出荷日などを決める「目合わせ会」が開かれた。新型コロナウイルスの感染拡大以降は参加者を制限して実施していたため、関係者が揃ったのは3年ぶり。
湘南レッドは、艶やかな赤紫色の色合いが目を引く赤タマネギ。輪切りにすると年輪状に赤紫色の模様が現れるなど見栄えの良さも人気で、黄タマネギに比べて辛味や刺激臭が少ないため、生のままでほのかな甘みやシャキシャキとした食感を楽しめる。二宮町にあった園芸試験場で1961年に開発された品種で、県の「かながわの名産100選」にも選定。大磯町では12戸の生産者が栽培している。
生育は順調
目合わせ会では、町内の生産者が湘南レッドの「初物」を持ち寄り、出荷先の市場関係者らと今年の作柄や出荷時の注意事項などについて意見を交わした。実の大きさや形、外皮の処理方法などを確認して出荷規格を統一し、今年の生育具合や天候などの状況から初出荷日を5月26日に決定した。この日から週2回、平塚や小田原など県内6市場へ出荷する。JA湘南では6月下旬までに約13tの出荷を見込む。
今年は北海道や静岡県などの生産地で天候不順が続いた影響でタマネギが不作となり、価格がやや値上がりしている。JA湘南路地野菜部会の部会長で湘南レッドの生産者でもある鈴木正直さん(79)は「しばらく雨が続いて生育が遅れる心配もあったが、天候も回復して順調に育ってきている。品質が良いものをしっかりと出荷していきたい。赤タマネギには血液をサラサラにする効果があると言われている。ぜひサラダにして、お好みのドレッシングをかけて味わって」と話した。
またこの日の目合わせ会には、茅ヶ崎市に工場を持つ染料メーカーも参加。SDGsの取り組みの一環として、出荷前に取り除く湘南レッドの外皮を染料に活用できないか関心を寄せ、生産者らに外皮の廃棄状況などを尋ねていていた。
湘南レッドは大磯町の「磯っ子直売所」(【電話】0463・71・2511)などで購入できる。
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