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公開日:2023.03.31
二宮町立一色小学校
盲導犬利用者に学ぶ
4年生が福祉の特別授業
二宮町立一色小学校の4年生が、「福祉」をテーマに外部から講師を招いて学んでいる。3月8日には、視覚に障害があり盲導犬を利用している町内在住の板嶌憲次郎さん(52)と盲導犬のフレアを教室に招いて、視覚障害者の実情や盲導犬の仕事などについて話を聞いて理解を深めた。
4年生児童に福祉について学んでもらおうと、総合的な学習の時間に行われた授業の一環。2月7日には二宮町社会福祉協議会と地域包括支援センターなのはなから講師を招いて福祉の基本について学んだほか、防音具や特殊ゴーグル、手足に重りなどを装着する高齢者疑似体験を実施した。2月17日にも、ろう者と中途失聴者、手話通訳を招き、聴覚障害についての講話とグループディスカッションを行った。
勇気出し声かけを
板嶌さんは遺伝性の網膜色素変性症で、20代の頃から徐々に視力を失ってきた。30歳までは自動車も運転できたが、現在は太陽光や照明などの強い光をおぼろげに感じられる程度になっている。以前は白杖を使用していたが、7年半前から盲導犬のフレアと生活するようになった。同校には5年前にも同様の授業で訪れているが、「その時よりも、さらに見えなくなっている」という。
特別授業で板嶌さんは「みんなが私の話にうなずいてくれても見えない、声に出してリアクションをしてもらえるとありがたい」と呼びかけた後、自己紹介やフレアの役割、日常生活の中で不便に感じていることなどを語った。「盲導犬は角や段差、路上の障害物などを教えて避けてくれるが、カーナビのように初めての道を案内することはできない。音の鳴らない信号は勘で渡っている時もある。白杖や盲導犬を連れている人がいたら『今、信号は赤ですよ』などと教えてもらえると安心できることを大人にも知ってもらいたい」と述べた。
一方で自身がサーフィンやスキー、ウインドサーフィンなどを楽しんでいる動画を披露して、「障害がある人も周囲のサポートがあれば様々なことを一緒に楽しめる」と伝えた。授業では板嶌さんへの質問やフレアとの交流、実際に声かけを体験してみる時間も設けられ、参加した児童は「声をかけるのは勇気がいるけれど、やって良かったと思えた」と感想を話していた。
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