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大磯・二宮・中井 トップニュース教育

公開日:2023.04.14

「にのみや学園」開校
施設分離型の小中一貫教育

  • 「にのみや学園」の校名を説明する村田町長

  • 二宮西中の西山さん

 二宮町役場で4月7日、施設分離型小中一貫校「にのみや学園」の開校式が実施された。二宮町内の小中学校全5校がオンラインでつながり、約1800人の児童、生徒が開校式に出席。村田邦子町長の開校宣言に耳を傾けた。公立の小中一貫教育で施設分離型は一般市町村では県内初。

 二宮町の既存の校舎を使った施設分離型小中一貫校の事業は、2017年に導入に向けた研究をスタートさせた。二宮中学校と二宮小学校を「二宮中グループ」、二宮西中学校と一色小学校、山西小学校を「二宮西中グループ」とし、9年間を見通した学級づくり、小学校高学年の部活動体験や中学校進学前の他小学校の児童との交流、小中学校の教諭が連携して行うカリキュラム研究など、切れ目のない支援を充実させる。

指導連携に期待

 小学校教諭で、同事業を担当する教育委員会指導主事の安藤通晃さんは「小中学校の教諭が連携することで、中学校に進学した際に勉強に対する困り感がないよう、先を見据えた小学校での指導ができるようになる」と期待する。

 例えば「分数」などは小学5年生から学習が始まるが、中学に入ってより高度な計算になったときに、つまずいてしまう生徒も少なくない。小学校で習った計算方法が中学校では使う機会がなく、混乱する要因になっているケースもあるといい、小中の連携により、よりスムーズな学習につなげるための指導が可能だという。

 教職員の連携は、通常の学校業務のほかに年4回ほど集まりや研究授業が入ることから、教員の負担感が課題でもあった。そこで同町は、教諭らが出張などに行きやすくするため、サポートする後補充の教員を配置できるよう予算化。これまでも中学校の体育教諭が、小学5年生を対象に器械体操の授業を行うなど、現場からの積極的な提案もあったといい、安藤さんは「思いを持って取り組んでくれる先生たちのサポートもしたい」と話す。

 「にのみや学園」は2040年までに校舎を統一する施設一体型化を目指している。中学校教諭で同主事の高谷松慶さんは「上級生が下級生を支えるシステムになれば、中学生にとっても学びになる。小中学生がお互い身近な存在になれれば」と話していた。

「まちをにぎやかに」

 開校式の中で村田町長は「共に学び、共に育つ教育を推進するため、開校を宣言します。9年間、小中学校の先生たちが一人一人を支えて応援します」とオンラインでつながった各校の児童、生徒らに語り掛けた。

 生徒児童代表の西山篤人さん(二宮西中学校生徒会長・3年)は、にのみや学園の教育目標「認め合い、高め合う、二宮の子」を踏まえ、「生徒全員が認め合い、まちで会ったら声を掛け合って、些細なことからでもまちをにぎやかに、小中学生の力で盛り上げていきましょう」と呼び掛け。期待のにじむ幕開けとなった。

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