熱海温泉ホテル旅館協同組合の理事長に就任した 目黒 俊男さん 市内栄町在住 66歳
法被が似合う育てのプロ
○…全国屈指の温泉地で、年間約500万人の観光客が訪れる熱海。58施設の温泉ホテル・旅館が加盟する協同組合の理事長に就任した。入湯税の納入動向からも、熱海の観光客数は徐々に増えてきている。海と山が織りなす絶景に加え、梅と早咲きのあたみ桜が同時に咲くなど熱海ならではの魅力について「もっている観光資源をアピールし、愛されるまちにしていきたい」と力が入る。
○…万葉の湯のグループ会社、熱海のサンミ倶楽部や箱根湯本の天成園など5つのホテルの社長を務める。毎日現場へ足を運び、法被姿で客のニーズを肌で感じる。「常識は関係ない。大切なのは、どうすれば宿泊を楽しんでいただけるかを考えること」。食事の有無を自由に選択できるプランやバイキングの導入、女性の一人客の受け入れなど今では一般的になったサービスも、やろうと決めた当時は業界の常識を覆すものだった。今後は高齢化に合わせたサービスを育てていくつもりだ。
○…客室の年間稼働率を伸ばし続ける敏腕社長だが、もとは大手ゼネコンの一級建築士。熱海支店の支店長時代に交流があった万葉倶楽部(株)の高橋弘会長に声をかけられ、50歳で転職した。最初の仕事は万葉の湯の第一号店、町田館の立ち上げ。続いて小田原館の開業に携わった。設計プランを日夜描いていた当時を振り返り「まさに人生の転機。長年培ってきた建築のノウハウを活かすことができて良かった」と懐かしむ。
○…捨てられた犬や猫を見ると放っておけない性分。自宅ではこれまでに十数匹の猫を家族同様に育ててきた。今は足の不自由な愛犬を背負って散歩に出かけるのが日課。「妻よりも私に懐いていてね」とうれしそう。ホテルで飼うアヒルの世話にも余念がない。料理が得意で、時々厨房に立っては全職員にタイカレーを振る舞う。「おいしいって評判なんですよ」と笑う、温かい表情が印象的だ。
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