全日本マスターズ駅伝競走大会エルダーの部に神奈川代表チームとして出場する 北村 泰一さん 市内前川在住 71歳
生涯駆け抜ける
○…幼い頃から運動神経が特別抜きん出ていたいうわけではなかった。とにかく負けず嫌いで運動会の障害物競走では、頭を使って勝つ方法を常に考えていたという。「勝つための手段はここで自然に鍛えられたのかもしれませんね」と笑う。7人兄第の兄の背中を追い、毎日山を駆け回っていたことが今なお走り続けられる頑丈な足腰が生み出されたルーツだ。
○…身長は156cmと小柄ながら中学からバレーボールを始め高校、その後に入社した(株)不二家でもプレー。大きな選手に負けじとセンターとして、自らはトスの種類を増やすなど技術面を磨いた。しかし不景気の影響で部員不足になったことを機にランナーの道へ。ハードな仕事と毎日の練習をこなし、時にはガレージで寝てしまうことも。それでも「練習をしないと家に帰りませんでしたよ」と笑顔で話すように、競技にのめり込んでいった。
○…定年後に一時、引退を考えたこともあった。競技の傍らでみかん栽培にも全力で取り組み、この先10年間で美味しい味を追求するのだとか。「農業もしながらバランス良く走らないと」と目を輝かす。3人の子どもも父の背中を見て育ち、双子の娘は学生時代は、陸上部に所属。過去に娘と出場した丹沢湖マラソンでは、親子で入賞という功績も残した。バランスを考えた食事を作り、応援にも駆けつけるなど競技人生の支えとなっている妻への感謝も忘れない。「良いものを出してくれるんですから、私はそれに良い結果を出して応えないと」と表情を引き締める。
○…今年1月のおだわら駅伝当日に腰を故障。「これでもうだめかと地獄に落とされた気持ちでしたよ」と不本意な結果で終わったこともあり、今大会にかける思いはひとしおだ。「本番までの残り期間で人に見せられる堂々した走りができる身体に仕上げます」。この先も頂上を目指す姿勢に変わりはない。
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