小田原市の特典付きふるさと納税が人気だ。昨年12月の1カ月間だけで2200件、7300万円以上の寄付が寄せられており、小田原市は今年度末までの寄附見込み額を2億円まで上方修正している。その人気の要因を追った。
寄附金額は昨年9月のスタート以来、月を追うごとに増加。特に12月は時節柄、かまぼこや干物、梅干し、肉といった小田原の特産品に加え、ヒルトン小田原リゾート&スパのおせちなどに多くの応募が集まった。小田原市では、当初1000万円と見込んでいた今年度中の寄附見込み額を20倍の2億円まで上方修正。すでに1月3日時点で1億4000万円に迫っており、「品切れ」の商品も出てくるほどの人気ぶりだ。
ふるさと納税は、出身地や育った場所などの故郷、応援したい自治体などへ寄附することで、税の控除が受けられる寄附制度。特典の購入費用は市の予算から賄われ、寄附金は使用されていない。
小田原市では、寄付金額に応じて1万円から24万円まで、食料品や工芸品など市の特産品を中心に93種類の特典を用意している。人気の理由について市担当者は「(特典が)小田原の特産品であること、寄附額も1〜2万円と手頃な価格であることが需要の増加につながったのではないか」と分析する。
特典商品を出す事業者の最大のメリットは、出品料がかからず、店や商品のPRができる点。市も小田原の魅力的な商品を発信することで、都市セールスにつながるとしている。またふるさと納税のロゴ「小田原のチカラ」を作成。特典の梱包箱に貼るなど全国へPRするために力を入れており、これらの活動が財源確保と地域活性化につながることに期待を寄せる。
小田原出身者以外が8割
寄附の受付件数は1月3日時点で4346件。うち8割強が小田原市以外の出身者が占める。たくさんの寄付者、自治体から小田原市を「納税先」に選んだ理由については、「お礼の品が魅力的」「歴史と自然が溢れる街が好き」などのほか、「小田原の蒲鉾の大ファン」「湘南ゴールドが大好き」「小田原城と周辺の観光地が栄えてほしい」「気候も良いし都内から近い割に自然が豊富」「神奈川県民として小田原は自慢の地域」と小田原を応援する声も多数寄せられている。
寄附の使い道については、使途をしない「市長におまかせ」をはじめ、「福祉・医療」「子育て・教育」など9項目から寄付者が選べるようになっている。市では2016年度から寄附金を各項目で行われている事業に配分し、随時公表するとしている。
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