小田原・箱根・湯河原・真鶴 人物風土記
公開日:2016.01.30
小田原市倫理法人会の新会長を務める
瀬戸 賢一さん
市内城山在住 69歳
ガキ大将が広げる倫理
○…企業の活性化や明朗な職場づくりを目指して経営者らが学びあう全国的な組織「倫理法人会」。「企業に倫理を、職場に心を、家庭に愛を」をスローガンに、毎週水曜の早朝にセミナーを開催している。約30年前に小田原市倫理法人会が立ち上げられて間もない頃からの古参だが、会長に就いたのは初めて。「『和』を合言葉に、会の在り方を考えながら進めていきたい」と決意を語る。
○…銀座通りで家具屋を営む家に生まれ、父の仕事ぶりを間近に見て育った。家族仲が良く反抗期も知らぬまま。「のんべえで、度々飲み屋に迎えに行った」と当時を懐かしそうに振り返るが、大学卒業を目前に控えた頃、最愛の父が突然他界。急遽(きょ)家業を継ぐことに。「商売の『し』の字もしらないまま社会に出るしかなかった」。従業員にはいぶし銀の職員も多く、「若いからこそ文句もたくさん言ったし、軋轢(あつれき)は大変なものだった」と苦笑い。それでも懸命な経営努力でめきめきと頭角を現すと、5年後には店舗を改装し、「まちの家具屋さん」は3階建ての洒落たビルに変貌。当時としては珍しい大型店舗の噂は県下に広まり、同業他社が視察に訪れた。
○…幼稚園から高校まで野球一筋。人前に出ることは好きではなかったが、持ち前の人を引き付ける魅力のせいか、自然と仲間を引っ張るガキ大将だった。仲間とチームを作ったり、毎シーズン上越までスキーに出掛けたり。常に誰かしらがまわりに集まっていた。
○…多忙な時間の合間に楽しむのはもっぱらゴルフ。ゴルフから帰ると「あの時やりやがったな」「あのひと振りは良かった」と一本一本磨きながらクラブに語りかけるのも、また楽しみのひとつ。「道具を大事に使っていると、次に使う時にきちっと働いてくれる。倫理の教えに繋がるね」と笑う。倫理の教えを企業のトップに伝え、社風を変え、健全な繁栄を目指す。ガキ大将の腕の見せ所、いざ。
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