美しい久野里地里山協議会(田中康介会長)がこのほど、農林漁村における豊かなむらづくりの優良事例を表彰する国の制度で農林水産大臣賞を受賞した。同賞の受賞は小田原市内で初。
市内の耕地面積の約25%を占める久野地域だが、近年は高齢化で農林地が荒廃。鳥獣被害や不法投棄も目立つようになっていた。こうした状況を問題視する地域有志らが勉強会を開いたことを機に、2009年に協議会を設立。31人の会員がNPО法人や地元自治会と連携し、里地・里山の保全に取り組んでいる。
この一環で、3年前からは「久野の渓流と紅葉の里づくり」に着手。人工林を間伐したところへモミジを植栽し、豊かな景観の創出に励む。この活動によって森林に人目が届くようになり、不法投棄の減少につながっている。また、久野の自然に親しんでもらおうと、渓流では春と夏に野遊び体験を開催。川の生き物観察などが企画され、市外の参加者も増えるなど評判も上々だ。
活動が継続している大きな要因は、地域の結束力。前会長の星野清治さんは、「久野にはさまざまな活動をしている人がいるが、それぞれバラバラだった。地域を良くするために一つにまとまらなければと思った」と協議会設立の経緯を説明。田中会長は「生き物に詳しい人や料理が得意な人など、皆が結束することで何でもできる」と強みを話した。
12月7日に表敬訪問を受けた加藤憲一市長は、「地域コミュニティの力を見せつけられた。市内の他地域にも広げられたら」とたたえた。
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