かつて小田原市を走っていた「市内電車」の車両を、長崎市から里帰りさせようというプロジェクト。中心となる「小田原ゆかりのチンチン電車保存会」では、新型コロナウイルスの影響で先行きが不透明になる中、実現に向けた道筋を模索している。
市内電車は1935年から56年まで小田原駅-板橋駅の国道1号線を走り「チンチン電車」の愛称で親しまれた。廃線後に長崎電気軌道(株)(長崎市)に譲渡され、しばらく現役車両として活躍した後イベントなどに使われ昨年引退。今年に入り同社が車両譲渡先を募り、同保存会が譲渡先第1候補に選ばれている。
同保存会ではプロジェクトの実現に向け市民や行政、団体、商店などを含めた「オール小田原」体制で臨む方向性を打ち出しているが、その前段階で足踏みを余儀なくされている。保存会の平井丈夫さん(NPO小田原まちセッションズ代表)は「コロナにより地元経済も打撃を受けている」と懸念を示す。
まずクリアしなければならないのが、数百万円という運搬費用と当面の車両保管場所の確保だ。保存会では、車両の引き取り期限について来年3月までの猶予を長崎電気軌道に打診し了承を取り付けた。また、広く鉄道愛好家らから支援を募るクラウドファンディングの準備も進めている。平井さんは「引き続きプロジェクトを広く発信し、資金面や保管場所に協力いただける方を募りたい」と話している。同保存会では、市内電車の写真提供も呼び掛けている。
連絡は平井さん【電話】090・3687・8355、メールom-sessions@nifty.comへ。
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