小田原・箱根・湯河原・真鶴 経済
公開日:2021.08.14
小田原市
清閑亭と旧支所 民間提案決定
利活用に向け協議へ
小田原市はこのほど、民間事業者から募集していた国登録有形文化財の清閑亭(南町)と、3カ所の旧支所の利活用提案を決定した。民間提案制度を市が活用するのは初めて。今後は、採用された提案について提案者と事業化に向けた詳細協議を行い、賃貸または売買の契約を締結する。
「食」テーマに観光拠点目指す
清閑亭は黒田長成侯爵の別邸として1906年に建てられた。2008年からは市の所有となっており、現在はNPO法人小田原まちづくり応援団が運営。
応募があった9者の中から採用されたのは、小田原市に本社を置く(株)JSフードシステムの提案。「小田原別邸料理 清閑亭」として、「食」を通じて小田原ならではの文化を発信するほか、観光の回遊拠点の一つとして地域連携を図ることを目指す。同社は「小田原早川漁村」や「牛なべ右近」など、小田原市と箱根町を中心に飲食店9店舗を展開。清閑亭の事業化に向け田川順也社長は「小田原を代表する歴史的建造物。明治期にタイムスリップしたような感覚にとらわれる空間で、古き良き小田原を体感できる施設にしていきたい」と意気込みを話す。
3つの旧支所特色生かし再生
利活用を進めるのは、19年に廃止された旧大窪支所(板橋)、旧片浦支所(根府川)、旧曽我支所(曽我)の3カ所。それぞれ、昭和期の建物で、地域の特色を生かした提案が行われた。
旧大窪支所は小田原市のOTA MOKKOの提案が採用され、寄木細工の工房と店舗として現代の生業・職人文化を体現する場を目指す。旧片浦支所は東京都の(株)空間編集舎らが、ワーケーション施設の運営や商品開発に取り組んでいく。旧曽我支所は市内の(株)旧三福不動産、BLEND、(株)小田原ツーリズムが共同で、アップサイクルによる新しい価値を生み出す店づくりに挑戦する。
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