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小田原・箱根・湯河原・真鶴 人物風土記

公開日:2023.08.26

2023年7月1日付でポーラ美術館の館長に就任した
野口 弘子さん
箱根町宮城野在住 61歳

美術館に新風吹き込む

 ○…モネやリヒターなど国内屈指のコレクションを誇るポーラ美術館の新館長に就任した。元ホテル支配人が美術の世界へ異例の転身。「美術の専門ではないが、私にしかできないことで存在価値を高めていく」と言葉にフロンティア精神がにじむ。人との接点を大切にした指針を3つ。「地域コミュニティとのつながり強化」「ホスピタリティの向上」「体験価値の最大化」。業界に新風を吹き込んでいく。

 ○…生まれは長崎県の空の玄関口大村市。飛行機を見上げ「遠くへ行くことに夢を馳せる子どもだった」。小学生のときに1人で大阪万博に行ったのが懐かしい思い出。大学では上京し万葉集などの古典を学んだほか、英語やプログラミングのスキルを身に付けた。卒業後は海外に渡り、流通系の企業に就職した。

 ○…海外で働き3年が経った後、20代後半で地元長崎県のハウステンボス開業プロジェクトに参加。海外で培ったマーケティングの知見をホテル事業で生かした。その後はホテルのコンサルティング会社を経て、ハイアットホテルに入社。44歳のときに、ハイアットリージェンシー箱根の総支配人に就任。日本人女性初の国際的ラグジュアリーホテルのトップとして注目を集めた。バブルや平成の不況など、時代に翻弄されながらも約30年間、ホテル業界に献身してきた。

 ○…「どうして私に声が掛かったのか」。館長として求められていることを考え「お客様を迎え笑顔で帰ってもらうのはホテルも美術館も同じ」と自身のキャリアから、美術館でやるべきことを導き指針を示す。ホテル総支配人になった際、赴任先である箱根に移住。友だちも増え今ではすっかり「箱根LOVER」に。「地域の人に誇ってもらえる施設になれば」

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