小田原市が進めてきた高田浄水場の再整備事業について、同敷地内での新たな浄水施設建設が始まる。新しい浄水処理方式を採用した新施設は2027年12月の稼働を目指し、1月16日には現地で起工式が行われた。
1969年から供用が始まった高田浄水場は、市水道事業として供給する水道水の86%を浄水処理する基幹施設。高度経済成長に伴う人口増加に対応するなど、半世紀にわたり市民生活を支えてきたが、敷地内施設の老朽化が進んでいる。
また近年では家庭内水回り機器の節水技術が向上したことなどにより、1日あたりの浄水実績は最大5万9千㎥(20年度)と、同施設の浄水能力(8万㎥/日)を下回っている。
市は17年度から耐震化と合わせ、施設規模の適正化を目的に高田浄水場再整備の検討を開始。その後、地震のほか風水害や噴火などの災害への備えも含めた基本方針や実施方針を固め、22年3月に設計から建設、運営まで一括で行う事業グループを選定した。
事業者は安藤ハザマ、水ingエンジニアリング、横河ソリューションサービス、東京設計事務所、守屋電機、小田原市土木建設協同組合、瀬戸建設高田浄水場再整備設計、建設共同企業体。建設される施設は鉄筋コンクリート造の複層階建てで、浄水能力は5万㎥/日、処理方式は従来の急速ろ過方式から新たなろ過技術「膜ろ過方式」が採用される。
起工式で守屋輝彦市長は「能登半島地震もあり、災害時の水道機能は関心が高い。4年かけて再稼働事業を進めるが、建設がゴールではなく、安全にいつでも水道が届けられるよう事業者に力を借りたい」と話した。
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