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公開日:2025.08.30
小田原署管内
特殊詐欺発生件数が倍増
警察かたる手口増加
小田原警察署管内で今年1月から7月までに発生した特殊詐欺の発生件数が、昨年同期比の約2倍にあたる45件に上ったことが同署のまとめで分かった。被害額は約2億8千万円で10倍近く増加。中でも警察官などをかたって現金をだまし取る「警察官かたり」の手口が目立つといい、同署では注意を呼び掛けている。
7月までに発生した特殊詐欺は45件で、「オレオレ詐欺」が最多の28件(前年11件)だった。昨年1件だった「還付金詐欺」は7件に増加し、「架空請求詐欺」が3件、「キャッシュカード詐欺盗」が3件、「SNS投資・ロマンス詐欺」が4件。相談件数も前年同期の154件から283件と急増した。
同署が警戒を高めているのが、警察官や金融機関の職員を装って現金をだまし取る手口だ。中でも近年は警察官かたりによる犯行が増えているという。
警察官を名乗って「あなたの逮捕状が出ている」「捜査上に浮上している」などと連絡し、メッセージアプリのLINE電話をかけさせて警察手帳や逮捕状のようなものを見せ、相手を信じ込ませる。「疑いを晴らすためにはあなたの資金を確認する必要がある。確認が終わったら返金するので、指定の口座に振り込んでほしい」などと要求し、現金をだまし取るという。
小田原署の刑事課署員は「普通なら詐欺だと気づくような手口でも、自分がそのような状況になると冷静な判断ができずにだまされてしまう」といい、「警察官がSNSで連絡を取ったり逮捕状などを見せたりすることは絶対にない」と注意を呼び掛ける。
被害者の低年齢化も
近年は、SNSで知り合った異性に恋愛や投資話を持ち掛けて現金をだまし取る「ロマンス詐欺」「投資詐欺」も増えている。管内では、今年7月までに4件・約2800万円の被害があった。
これらの詐欺は比較的若い年代が狙われることも多く、県内では20代が被害に遭うケースもあった。同課では「オレオレ詐欺は80代や90代などの高齢者がだまされるイメージがあると思うが、詐欺の手口が多様化して現役世代がターゲットになることもある」と警戒する。
「ネット送金」被害の温床に
金融機関では高齢者の高額な取引について警察への「全件通報」に協力しているが、インターネットバンキングの普及により窓口やATMを利用せずに送金することで被害が発覚しづらく、被害額が高額になる恐れもあるという。
同署では「自分は大丈夫と思わず、これらの詐欺が身近な犯罪だという危機感を持ってほしい」と話している。
特殊詐欺に関する相談は小田原警察署【電話】0465・32・0110。
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