小田原・箱根・湯河原・真鶴 文化
公開日:2025.10.25
「あじさい電車」一冊に
小田原市の飯田さん 絵本出版
小田原市在住の飯田芳子さん(85)がこのほど、自身初となる絵本『あじさい電車』を自費出版した。
「窓の向こうにはあじさいがいっぱい、まるで額縁の中の絵のようで、走る美術館です」
この一冊は、箱根登山電車の車窓から眺めたアジサイの情景を、優しく温かいタッチのイラストと詩でつづったもの。アジサイの花が語りかけている描写などが描かれており、飯田さんが約50年前に小田原へ転居した際に初めて箱根を訪れ、箱根登山電車に乗車した時の思い出に基づき制作された。
飯田さんは幼少期から詩や絵画を好んでいたといい、「空想したことを形として表現するのが楽しい。自分でも少女のまま大人になったような感覚」と語る。現在も創作活動を続けており、親族が営む柳屋クリーニング(市内南町)で配布される絵手紙のイラストを毎月制作している。
絵本自体は、約30年前に市内の図書館で開催された手作り絵本のワークショップで制作したもの。当初は自費出版を考えていなかったというが、今回「記念として形に残したい」との思いから出版に至った。
「多くの人に見てもらいたい」と話す飯田さんは、箱根登山電車を運営する小田急箱根(株)に絵本を寄贈。箱根町強羅のホテル「ゆとわ」のライブラリーラウンジで、利用客向けに設置される予定という。絵本はそのほか、柳屋クリーニングで読むことができる。
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