足柄茶 説明会に250人 新茶の出荷済み分はほぼ回収
福島第一原発の放射能漏れが原因と見られる放射性セシウムが、神奈川県西部のお茶の生葉から検出された問題を受け、5月13日にJAかながわ西湘開成本部、14日には足柄上地域県政総合センターで、県による生産者向けの説明会が開催された。
5月11日に南足柄市の茶園から摘採された生葉から、食品衛生法上の暫定規制値(500ベクレル/kg)を超える放射性セシウムが検出されたことを受け、県が南足柄市に出荷の自粛を要請。その後、追加で行った検査で小田原市、愛川町、清川村、真鶴町、湯河原町の生葉から規制値を超える放射性セシウムが検出されたことから生産農家等に動揺が広がっていた。
説明会はこうした不安に対し状況の説明をするために実施されたもので、13日にJAかながわ西湘開成本部で開催された説明会には生産者や関係者ら約250人が詰め掛けた。県からの現状の説明や今後の方針についての説明がされると、補償に関する質問や、茶葉の廃棄、処理方法についてなどの質問が相次いだ。
県農協茶業センターの石渡哲也支配人は「損害については今後詳しく調べていく。県にも協力してもらい、東電や国へ補償を求めていきたい」と話している。
なお、茶業センターで一元出荷されている足柄茶は今年の新茶のうち、「走り茶」として出荷されたものについては8割が回収を済ませており、現在店頭に並んでいる足柄茶は昨年の茶葉を使用したもの。
暫定規制値を上回った6市町村の茶葉に関しては現在刈り取り作業(廃棄処分)を行い、毎年6月中旬頃に行われる二番茶の収穫に向け準備が進められている。
南足柄市の生産者は「1年の収益の大部分を占める一番茶が摘める状態なのに、刈り取ってしまわなければならないのは、経済的にも心情的にも辛いものがある」と、複雑な心境を語っている。暫定規制値を下回っている地域については一番茶の摘み取り、製茶作業が続けられており、7月をメドに販売が再開できるように調整が進められている。
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