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公開日:2011.06.11
濁る酒匂川 鮎釣りに影
釣り人9割減のおとり店も
”鮎釣り解禁”を6月1日に迎えたばかりの酒匂川で、釣り人の姿が激減している。原因は濁り続ける川の姿にあった―。
解禁日の1日は平日で曇天、水温も低かった。例年季節の風物詩になっている釣り人たちの姿は少なく、釣果も振るわない様子。釣り仲間と毎年解禁日を楽しみに訪れるという男性は「川の濁りは上流から流れてくる土砂の影響。鮎が濁りを嫌うだけでなく、黒い砂が川底の石を覆ってしまう事で鮎のエサになる水垢が石に付かなくなり、鮎が細ってしまう」と懸念する。
上流では静岡県小山町などで、昨年9月の台風9号で被害を受けた箇所の護岸工事を行っている。松田土木事務所では「黒い砂は”スコリア”という火山砕屑物で、昨年の台風等で流れて来たもの。川の濁りは一概に上流の工事の影響とは言えず、雨の影響もあるのでは。濁りは少しずつ解消して来ているように見受けられる」と話す。また同所管内では6月から川の中での工事は行わないよう配慮しているという。
なお県衛生研究所の調査(5月23日)では、酒匂川の鮎から放射性ヨウ素やセシウムは検出されていない。
松田町の河川敷でおとり店を営む武井敏廣さんは「鮎の放流数は例年と変わらないのに、釣り人の数は10分の1。みんな相模川や早川など他の釣り場に行ってしまっている。濁りが早く収まってくれれば」と嘆息を漏らしている。
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