戦前まで関東一円で栽培されていたサトイモ「弥一芋」を復活させて地域の特産品にしようと、開成町の農家有志からなる「開成弥一芋研究会」(遠藤将光会長)らが取り組んでいる。
「弥一芋」は、明治36年に同町金井島出身の高井弥一郎氏が常念寺(小田原市)の住職から種芋を譲り受け、栽培したのが始まり。味が良かったため親戚や近隣に配ったことで一気に広まった。戦後は新しい品種に押されて生産量が激減し、同町でも生産している農家はごくわずかになっていた。
遠藤会長らは「美味しくて町に由来がある弥一芋を復活させよう」と2009年から取り組みをスタート。県の農業技術センターに保存されていた種芋を譲り受けて作付けし、町内の消費者団体などを招いた食味調査を実施して高評価を得た。今年6月に正式に会を発足し、10月9日に開催された日曜朝市「マルシェ・かいせい」で初出荷販売を行った。酒造や飲食店組合と協力し、弥一芋を使った焼酎や調理方法の開発も進められている。遠藤会長は「生産者全員が結束して栽培方法などを学び合い、系統や味にこだわっていくことで、町の特産品に育てていきたい」と話している。
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