足柄上郡PTA連絡協議会の会長を務める 坂田 純さん 松田町在住 45歳
”あんしん感”ある子育てを
○…足柄上郡19校の小中学校PTA代表からなる連絡協議会の会長。情報交換などを通じてPTA間の連携を図る同会だが「思いを持って、子どもたちのためにできる事をしようという人が多い」と目を輝かせる。会長を務める松田中学校のPTAでは、今年のテーマを「スクラム」とした。「学校・家庭・地域・行政の大人たちが、手を取り合って子どもたちに”あんしん感”を与え、支えていこうという思いを込めた」。明晰な言葉の端々に、教育への熱い思いが窺えた。
○…同中PTA会長は、今年で2回目。「子育てで経験してきたことを生かしてほしい」と周囲に推され、引き受けた。教育に厳格な家庭に育ち、それに反感を抱きながらも優等生と挫折を味わった学生時代。親になった時、いつの間にか自身も子どもにプレッシャーを与えすぎて、家庭に歪みを生んでいたことに気付いた。「そこから家庭を再生できたのは、今も恩師と仰ぐ多くの人たちと出会い、支えられたから」。教育家、野球関係者などから人生を変える言葉をいくつももらった。「私が実体験から学んだことを伝えていきたい」と目に力を込めた。
○…松田町で生まれ育つ。小田原高校を経て、大学や院では化学を専攻。就職した富士フイルム(株)では、原材料の品質保証部門に勤める。野球好きで、息子2人が少年野球チームに所属したことをきっかけにコーチを務めたことも。「子どもたちが伸び伸びとプレーできるようにするには、それぞれの能力を引き出し、あんしん感を与えることが大切。家庭と一緒です」。
○…「家庭を支え、相談相手として厳しいことを言ってくれる。苦労をかけた妻には、言葉では表せないほど感謝しています」としみじみと語る。「母親の笑顔」が家庭のあんしん感を象徴し、子どもに伝わる。「私のエネルギー源です」と取り出した携帯電話には、家族4人が穏やかな笑顔を浮かべた写真が表示されていた。