この時季、越冬のためシベリアやアラスカなどから多くの渡り鳥が飛来する足柄上地域の河川や湖沼。県内有数のオシドリ飛来地として多くのバードウォッチャーが訪れる丹沢湖で今冬、オシドリの姿がほとんど確認されないことが、先頃行われた県の調査でわかった。
県西地域県政総合センターが1月8日と10日に丹沢湖や酒匂川など71カ所で実施した「ガンカモ類の生息調査」によると、今年観察されたガンカモ科鳥類は、前年より4種777羽少ない10種1403羽だった。オシドリは、中村川・レインボーカントリーで130羽(前年150羽)確認されたが、丹沢湖ではゼロ(同140羽)。丹沢湖は1995年に約400羽が確認されるなど、オシドリの飛来地として知られていた。
月2回、丹沢湖で観察できる鳥類の数を調査している丹沢湖ビジターセンターでは「今冬は渡り鳥が全体的に減少しており、とくにオシドリなどの水鳥が少ない。オシドリは12月に数羽確認できた程度だった。今冬は主食であるドングリの成りが少ないが、それだけでは原因が特定できない。12月から1月がピークなので、今冬はもう見られないかもしれない」と心配している。
ガンカモ類の生息調査は、ガン類やカモ類、ハクチョウ類などの生息状況を把握することで鳥獣保護区の設定などに活用しようと、環境省が都道府県に依頼して1969年度から毎年1月に実施されているもの。県西地域では4年前の調査時(4100羽)に比べてガンカモ類の数が半減しているが、こちらも原因はわかっていない。
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