内閣府の社会参加活動事例に選ばれた「ハイキングと温泉を愉しむ会」のリーダー 小川 国昭さん NPO法人わの会 副理事長 73歳
皆で歩いて健康維持を
○…約10キロのハイキングコースを歩いた後は温泉に入り汗を流す―。2002年からスタートした活動は130回余り、参加者の延べ人数は2000人にも及ぶほどになった。平均年齢が69・6歳という会の活動に対して、このほど内閣府より、高齢期におけるライフスタイルの参考になる「社会参加活動事例」として選定された。「歩くことは健康維持に役立ち、高齢者の生活向上につながります。自然とふれあい、温泉の効能も愉しむ。良いことづくめかな」。にこやかな笑顔でその魅力を語る。
○…01年、富士フイルムを退職後に「一芸」を持った人が集まっていた会社の先輩らによる地域社会との交流や文化の向上を目指す「わの会」に入会。メンバーが講師やリーダーになり種々の同好会をスタートさせた。その一つとして「ハイキングと温泉を愉しむ会」が発足する。会社員時代は技術畑で海外出張も数多くこなしたビジネスマン。自然や温泉への想いは学生時代から培われたものだ。
○…1940年、姫路市生まれ。大学は山梨大学工学部へ進んだ。合唱、書道、尺八等のクラブに所属する傍ら、山岳部の友人たちとの山登りも愛好する。「南アルプスが中心。八ヶ岳、北岳などによく登りましたよ」。温泉歩きにも力を入れ、全国1000湯は制覇したという。「近年、温泉の素晴らしさを忘れがちです。温泉の力はもっと利用されるべき」が持論だ。
○…県内とその周辺の日帰りハイキングと温泉の百コースを自ら見いだし、会で歩いてきた。本番前には必ず下見をするという。「安全性やトイレの場所などを入念に調べます」。昼食後は歌い場を探し、氏が作った「歩こうよ」を皆で歌う。富士山が好きだという。平塚市内の自宅も富士山が見えることが気に入り選んだ。子供達は独立し夫人との2人暮らし。「我々が歩いたハイキングコースの案内書を発行したい」が、いま最も念願していることだ。