南足柄市の教育長に就任した 飯山 敏明さん 南足柄市関本在住 59歳
豊かな心と思いやりを
○…11月18日付で南足柄市の新教育長に就任した。「決めたからには誠心誠意自分のできることはすべてやる。(足柄上)教育事務所で培ったものを南足柄市の子どもたちのために活かしていきたい」と大役への決意をのぞかせる。「傾聴姿勢が大切。まずは現場の声を聞いて回ることから始めたい」と柔らかい物腰で当面の方針を示す。
○…1978年に山北中学校へ赴任。北足柄中、湘光中などで理科の教鞭を執り、三保中学校では教頭、校長も務めた。学生時代は研究者や医者などを目指していたが「子どもたちと触れ合ったことをきっかけにシフト変更しました」と教師の道を選んだ。「当時は生徒指導が大変な時期でした。だけど今でも親しくしている教え子は当時の『やんちゃな』生徒が多い。この花もそうですよ」と執務室に飾られた胡蝶蘭に嬉しそうに目を向けた。
○…足柄上教育事務所では主に人事関係を担当。2009年からは教育事務所の所長も務め、足柄上地域の教育の現場を執り仕切った。「来春に足柄上、下の教育事務所統合を控え、この1年は本当に忙しかった。これから最後の詰めをしようという段階だったので、正直気がかりではあります。これからは南足柄市の教育長として、できるかぎり協力していきたい」。
○…妻と娘の3人暮らし。近くに住む息子夫婦には今年の3月、初孫が誕生。「やっぱり孫は可愛いですよね」と目頭が緩む。休日には趣味の山菜取りやきのこ狩りを楽しむ。「気分転換になるので1人で出かけることもあります。でも今年は忙しくて行けてないんです。半日でも時間があれば出かけたい」と苦笑する。
○…「グローバルな時代、理系でも文献を読むのに語学力は必要。またいじめや体罰など命を大切にする道徳にも力を入れていきたい。豊かな心と思いやりの心を育てていきたい」。自身の培ってきた経験を伝えていくつもりだ。