金時山 登山者が増加傾向 富士山の世界遺産登録も影響か
神奈川県と静岡県の県境にあり、富士箱根伊豆国立公園に指定されている金時山(標高1212m)の登山者数が増加傾向にあることが環境省の調査でわかった。2013年度には調査開始以降最高の約14万人が登頂している。
この調査は金時山を含む富士箱根伊豆国立公園を管理する環境省が、金時山の山頂にバイオトイレ(おがくず処理)を設置する際、トイレの適正な維持管理のために正確な登山者数を把握することを目的に10年4月から行われていたもの。
調査方法は「公時神社・矢倉沢峠コース」(箱根町側)、「乙女峠コース」(御殿場市側)、「足柄峠コース」(南足柄市側)の3つの登山道の山頂付近に、赤外線カウンターを設置。カウンターが濃い霧に反応する誤作動などを差し引いて登山者数を推測している。
10年度の調査開始時に12万3985人だった登山者数は、震災の影響から一時は11万8174人まで落ち込んだものの、13年度には、3つの登山道すべてで前年を上回り、14万268人まで増加した。
富士山が世界文化遺産に登録された13年6月以降に登山者数が急増していることから、富士山の世界遺産登録が登山者数増加の要因であることが考えられる。月別ではゴールデンウィークと11月の土日に集中し、積雪や登山道の凍結が起こる2月から3月は減少する傾向もわかった。
今後も調査
環境省関東地方環境事務所・箱根自然環境事務所では、「金時山の登山道は登山者の踏圧などの影響で浸食が進んでいる。対策として箱根町、県自然環境保全センター、環境省が連携して、ボランティアの協力を得ながら登山道を補修しています。登山者数の調査は今後も継続し、正確な登山者数を把握することで、公園の適正な利用の推進に活かしていきたい」としている。
今回の結果を受けて、南足柄市の商工観光班では「金時山を含めた市内のハイキングコースの整備を進め、市内外へのPRに力を入れていきたい。観光客誘致につながれば」と話す。
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