毎年8月は国土交通省が定める「道路ふれあい月間」。足柄上地域では、日ごろの道路美化活動が評価され県立吉田島総合高校(掛原豊校長)の農業クラブ草花部などが国土交通大臣表彰を受賞した。国ではこの期間に道路の役割や重要性などを知ってもらう取り組みを各地で行っている。
本紙ではこれに合わせ、松田町、山北町、秦野市などで進む新東名高速道路の建設事業を取材した。
開通から45年
現在の東名高速道路は、1969(昭和44)年に全線が開通した。大井松田インターチェンジ(IC)〜御殿場インターチェンジ(IC)間が最後の工事区間だった。91(平成3)年には山北町、小山町の町域に新たな上り線が開設され、現在の上り3車線、下り2車線の左右ルートと東西の大動脈を支えている。
開通から45年が経過するなか、「(現東名との)ダブルネットワーク化による信頼性の向上」を目的に、現東名の北側を中心に新東名高速道路の建設が進んでいる。2012(平成24)年には御殿場〜三ヶ日間の162Kmが開通して話題となり、今後は2020(平成32)年度には全線が開通する予定だ。
山側を横断
新東名と現東名は、伊勢原市にある東海大学附属病院の北側にできる伊勢原ジャンクション(JCT)で合流し、圏央道に接続する海老名南JCTが新東名の起点となる。
伊勢原JCTから大山方面を通る新東名は、大山の麓にあるゴルフ場、伊勢原カントリークラブの東から秦野市内の東京カントリー倶楽部の西まで約3・8Kmがトンネルとなり、ヤビツ峠へ伸びる秦野清川線を約180mの橋が横断する。
秦野市菩提まで2・9Kmのトンネルが続き、県立秦野戸川公園の南に秦野サービスエリアが設置される。 秦野市柳川付近には国道246号線へつながる秦野ICが開設される。松田町では約270mの中津川にかかる橋、山北町もトンネルと橋が交互に約10・8Km続き、丹沢湖や中川温泉の入口となる清水地区の砂利採石場跡地にスマートインターチェンジが開設される。
神奈川県内の建設距離は約35・2Km。厚木南、伊勢原北、秦野の3か所にICが設置され、山北のスマートインターから東京方面に乗り降りができる。
トンネルと橋
秦野市、松田町、山北町での工事は中日本高速道路(NEXCO中日本)(株)東京支社秦野工事事務所=秦野市立野台=が担当する。
同事務所が担う区間は23・9Km。現東名では4%しかないトンネルが全体の59%、橋梁が17%を占め、現東名とは様相が異なる高速道路となりそう。
現状と見通し
同工事事務所によると、用地の取得率は秦野市域で79%、松田町域で100%、山北町域で20%となっている。秦野市域では本線のトンネル工事が始まっている(8月5日現在)。
今後もこれまでと同様に用地取得に取り組みながら、工事用道路や本線工事などを進め2016年に海老名南JCT〜厚木南IC、18年に厚木南IC〜伊勢原北IC、2020年の伊勢原北IC〜御殿場JCT開通で全線開通となる。
工事事務所では「サービスエリアの計画も含め、地元の皆様の声を積極的に聴いていきたい」としている。
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【取材協力】中日本高速道路(株)東京支社秦野工事事務所(秦野市立野台1の4【電話】0463・80・5600)
※ICやJCT、SAなどの名称はすべて仮称。
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