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足柄 人物風土記

公開日:2015.11.21

平成27年度神奈川県私立学校教育功労者として県に表彰された
込山 英弥(ひでみ)さん
立花学園理事長兼校長 62歳

校風の変化に手応え

 ○…小田急線「新松田駅」から程近く。川音川の左岸にある桜色の校舎。創立87年の立花学園高等学校で3代目の校長を務める。この秋、私学関係者を対象に神奈川県が実施する「平成27年度神奈川県私立学校教育功労者」に選ばれた。11月9日に県庁で開催された表彰式に県内7人の受賞者とともに臨んだ。「この5〜6年で外部から評価が変化してきた」。そんな手ごたえを感じていた矢先の朗報に目尻がさがる。

 ○…42歳で校長に就任した。教員には日頃から「腰の引けた指導はするな。何かあれば自分が出ていく」と背中を押し、生徒には「美味いものが食べるような大人になれ」と諭す。校長になり10年ほど経ったある日、妻に促され授業を受け持つことにした。「生徒の様子がよく分かる。とても貴重な時間で今も続けている」。きっかけをつくった愛妻には「私よりはるかにいい教師。事務仕事ばかりさせて申し訳ない」と尊ぶ。

 ○…1953(昭和28)年、松田町生まれ。厳格な父の背中を見ながら「やんちゃな」少年時代を過ごした。「いたずらと山遊び、スポーツが大好きでとにかく活発な子ども」だった。明大中野高校から明治大学法学部へ進学。卒業後に米・ポートランド州立大で経済地理学を学んだ。好きな言葉は「是々非々」。その姿勢の活かし方を培ったのが3年間の米国留学で、当時の経験が学校の運営手腕にも生かされている。

 ○…卒業を控えた3年生全員と個人面談をする。「友だちがたくさんできて良かった」と話す生徒が多かったが、近ごろは「感謝の言葉を口にする生徒が増えた」と身を乗り出す。「女学校から共学になり、難しい時代を経て今がある。今は熱心に指導してくださる先生が多くいて活気がある。この環境を与えてくれた父や母、祖父母に感謝しています」。同じ道を歩む息子と娘が他校で教鞭をとる。「悪い気はしない」と、少し頬が緩んだ。

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