政府が進める地方創生の制度を活用して蒸気機関車の復活事業を進める山北町で、第2の人生を町の再興に託す夫婦がいる。
JR御殿場線「山北駅」の北口。改札の右側にある2階建ての観光協会と6階建の町営住宅の間に白い平屋建てのカフェがある。朝7時半から9時の500円モーニングと日替わりランチ650円=写真右が好評で、昼間は近所の住民や観光客が足を運び談笑している。3月12日には、駅前初のコンビニエンスストアのオープンを控え、建築工事が急ピッチで進む。
カフェとコンビニは、町内の50代から80代の有志4人と企業1社が出資して建設した。(株)山北まちづくりカンパニーを設立して株式を発行したところ約40人が趣旨に賛同して株を購入。株主は町の将来を危惧する町民が大半だ。コンビニ建設には借金もした。大手コンビニに出店を打診したが加盟金が手ごろなヤマザキデイリーストアに決め、新たに4人を雇用する。
この会社で社長を務め自ら家賃を支払いテナントとしてカフェを営業するのが川本渉さん(67)・しげ子さん(69)夫妻=写真上だ。
夫の渉さんは町内にある自動車部品製造会社でサラリーマンとして勤務。定年退職を機に嘱託社員として勤務し、2年前に引退した。
現役時代に所属した異業種グループ「山北工業クラブ」を通じて行政とかかわりを持ち、2013年に町が定住対策として主催した「街コン」では運営に参加。これを機に、町が抱える人口減少や少子高齢化問題に直面した。
「生まれ育ち、子どもを育てた山北が疲弊している。残りの人生をその再興に注ぎたい」と話す。
|
|
|
|
|
|
|
|
|
<PR>
足柄版のローカルニュース最新6件
|
|
|
|
|
|