松田町が買い物に不便を感じている高齢者や障害者への新たなサービスとして、1日から生鮮品や日用品などを扱う移動販売車の運行を開始した。当面は火曜・金曜と水曜・土曜、月曜・木曜の3ルートで試験運行する。
この事業は2月に松田町が自治会長連絡協議会、商工振興会などと「移動販売事業推進協議会」を結成して検討してきた。
車両は松田町と松田町社会福祉協議会(管谷一夫会長)の補助金で購入、事業主体に松田町商工振興会(秋田谷光彦会長)、移動販売を行う事業主に社会福祉法人一燈会(開成町・山室清彦理事長)、商品提供者にヤオマサ株式会社(小田原市・田嶋政嗣代表取締役社長)を決定し7月に協定を結んだ。
1日に町役場そばで行われた開始式で本山博幸町長は「町民が待ちに待った事業。官民連携して長く続けたい。松田発の事業として県全域に波及していけば」と話した。
車の愛称は「くるまつくん」。肉、魚、野菜などの生鮮品や日用品、総菜など約1千点を積んで、1日約20カ所の個人宅や指定拠点をまわる。福祉のプロが定期的にまわり、高齢者など地域での見守り活動を兼ねているのが特徴。
現在販売拠点は27カ所で、個人宅は35戸。町観光経済課によると開始後、町民から立ち寄りを求める声が寄せられているという。
6日に初めて移動販売車を利用した寄在住の女性は、普段買い物はバスを利用したり、運転できる子どもに頼んでいるという。「近くで買い物できるので助かる。近所の人が集まるから話もできて良い」と満足そうだった。
ドライバーの高橋正樹さんは「買い物できる場所ができたと喜んでいただいている。地域によって需要が違うので、今後はニーズに合わせた商品を提供できれば。地域の人が交流できるコミュニティーの場になれば嬉しい」と話した。
松田町の世帯数は8月31日現在4830世帯で、高齢者の単身世帯数は771世帯ある。
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