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大井町固有種の柿 「金手丸」風前の灯 現存3本、江戸時代に珍重の品

文化

掲載号:2016年11月19日号

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山本さん宅の金手丸=11月7日撮影
山本さん宅の金手丸=11月7日撮影

 大井町金手地区に江戸時代から伝わる柿の希少種「金手丸」を守ろうと、所有者で同地区に住む主婦、山本香代子さん(61)が保存に向けて取り組みを始めている。町内に残る「金手丸」の木はわずか3本。樹齢も100年を超えているため残された時間はそう多くはない。

 「金手丸」は、江戸後期の文献『新編相模国風土記稿』にその名の記載があり優れた物を意味する「佳品」と称されている。9月頃から収穫できる早生の柿で、小ぶりで強い甘みが特長。直径5センチほどで種が多いのも特徴だという。

 『新編相模国風土記稿』では矢倉沢の蛤石や三竹山のミカンなどと並び称され、足柄平野の土産としても珍重された。1924(大正13)年刊行の『足柄上郡誌』では金子、松田、神山、神縄、世附、八沢が柿の産地として紹介され、中でも「金手のは金手丸と称して殊に佳良」と記されている。

 1933(昭和8)年に金田尋常高等小学校の教員がまとめた『金田の聚落(しゅうらく)』からは「金手丸」の記述が消え、金手地区は桑畑になっていた。85年の優木調査で1本確認されたが、その後絶滅したと思われていた。

 同町金子のおおい自然園のサポーターを務める山本さん宅ともう1軒に金手丸がまだ残っていることがわかり、自然園の企画展で紹介した。すると同町山田の香川猛さん(79)宅にもあることがわかった。

 山本さん宅の「金手丸」には、根もとの幹が腐食してできる「うろ」があり、かろうじて樹勢を保っている。柿農家のつてをたどり、協力を得て接ぎ木を試みたが「あまり芳しくないよう」と話す。香川さんも試みたが渋柿になったという。

 江戸時代から受け継がれてきた希少種の話題を受けて、関係機関による金手丸の分析も始まっている。

 金手丸は甘みが強く和菓子のよう。砂糖が貴重だった江戸時代に珍重されたことは想像し易い。

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