足柄版 掲載号:2017年1月28日号 エリアトップへ

松田山の山頂 “桃源郷”行き、ポイ捨て町道 ゴミ・落書き、山火事の懸念も

社会

掲載号:2017年1月28日号

  • LINE
  • hatena
町が設置している「ポイ捨て禁止」の看板
町が設置している「ポイ捨て禁止」の看板

 足柄平野に相模湾、箱根山に富士山など名高い絶景が広がる松田山の山頂が散乱ゴミに悩まされている。国道246号線から松田山に続く道は30年以上前に整備された松田町の町道25号線。現地を取材した。

※  ※  ※

 山頂にはゴルフ場、さらにその先には町の観光名所、最明寺史跡公園がある。この公園はゴルフ場整備に合わせて整備された。鎌倉時代には幕府の加護を受けた西明寺があり栄えたが、室町後期以降は寺が現在の大井町へ移った。戦後になり松田庶子の農家の若者が桜などの植林を始め、毎年3月中旬から4月下旬まで約25種類の花が咲く名所となった。4月10日には地元が受け継いできた施餓鬼会が営まれ、この前後は多くのハイカーや観光客で賑わう。その様子はまさに百花繚乱で県西地域の隠れた名所として人気がある。

 その史跡公園へと伸びるゴルフ場脇の町道には、お盆明けに松明を灯す灯篭台が30基あり、8月末のまつだ観光まつり当夜に火がともされる。この「百八ツ火(ひゃくはって)」は戦国時代からの伝統行事として受け継がれている。

 標高550メートルから眺める夜景やパラグライダーの名所としても知られ、開成町が2016年の町民カレンダーの表紙にここから眺める町の景色を採用するなど話題は尽きない。

SNSで発信

 ところがその道中には、タバコの吸い殻や菓子の空き箱、ペットボトル、ティッシュペーパー、雑誌、食べ物のカスなどが散乱し、ゴミは山の斜面にまで広がっている。道路上にこびり付いたタバコの吸い殻は固形化し、壁の落書きも長年放置されたままだ。

 松田町によるとこの状態が慢性化して20年以上経つ。年に3回ほど町が清掃に入り、8月の観光まつりに合わせて地域住民がゴミ拾いをしている。近頃はボランティアの男性がゴミ拾いをする様子をSNSで発信しこの場所の魅力や実態を訴えているが、男性は「とにかく山火事が心配。いくら拾ってもいたちごっこ」と窮状を訴える。

 道路に付着したタバコの吸殻や壁の落書きは「交通量が少なく優先順位が低い」との理由で改善されず長年放置されている。町の幹部は「予算が無いわけではないが市街地などの安全が最優先」と言葉少なだ。

あと一手打てず

 付近の電柱には防犯カメラがあるが、役場は「不法侵入を防ぐためにゴルフ場が設置したもの」と話し、美化目的での防犯カメラ設置や落書きされた壁の修繕、防犯パトロールの定期実施など、あと一手が打てずにいる。役場出身の町議は「外部委託のハードルは高く、やろうと思えば職員が自分たちでやるしかない」と現場の苦しい胸の内を代弁するが「公道である以上、それは言い訳にはならない」とも話している。

条例も無力

 町にはゴミの投棄や落書きを禁止する「松田町まちづくり条例」があり10万円以下の罰金を課す罰則規定を設けている。不法投棄対策として県と年に一度実施するパトロール以外には重点パトロールなどはしたことがないという。

 最明寺史跡公園ではこれから春にかけて桃や桜などが一斉に開花して一年で最も美しい季節を迎える。町道からの夜景も格別だが、訪れる人のモラルにゆだねる以外、景観を美化する方法はないのか。重点的な景観対策が待たれるところだ。

道路上にはタバコの吸い殻が目立つ  =松田山・山頂付近の町道
道路上にはタバコの吸い殻が目立つ =松田山・山頂付近の町道
放置された壁の落書き
放置された壁の落書き

足柄版のローカルニュース最新6

毎週、授業にプロの料理人

毎週、授業にプロの料理人 教育

吉田島高が専門学校と協定

1月22日号

ニューイヤーコンサート

県体育功労者に鍵和田さんら

川村小の見学に同行

安全第一で進む新東名工事

川村小の見学に同行 社会

1月22日号

平塚は4・83倍

県立中等教育学校入試倍率

平塚は4・83倍 社会

1月22日号

東儀秀樹コンサート

チケット販売中

東儀秀樹コンサート 文化

タウンニュースホール

1月22日号

あっとほーむデスク

  • 1月22日0:00更新

  • 1月15日0:00更新

  • 1月8日0:00更新

足柄版のあっとほーむデスク一覧へ

最近よく読まれている記事

バックナンバー最新号:2022年1月22日号

もっと見る

閉じる

お問い合わせ

外部リンク

Twitter

Facebook