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足柄 人物風土記

公開日:2017.12.02

丹沢湖畔のそば店でアート展を開く
石田 勝也さん
山北町神尾田在住 37歳

素朴に、こつこつと

 ○…西丹沢で100年続く旅館「落合館」の四代目。道沿いに店を構える「手打ちそば太平楽」でそばを打つ。「おいしい」とそばの感想を伝えると「照れます」と赤面する。そば職人ではあるが、芸術家としての顔も持つ。12月16日まで自身が活動するグループ展を店で開催している。「地元で文化を楽しめる機会があったらいいかなと思って企画した」と、アートの話題になると途端に会話がはずんだ。

 ○…4人兄弟の長兄。子どもの頃は、そろばんや水泳、絵画教室など様々な習いごとをした。「家の手伝いばかりしていたという記憶はない。好きなことをさせてくれた」と両親に感謝する。高校進学を考えた時に頭に浮かんだのが「絵」で「美大に進学したい」と思った。高校入学の前に行ったニューヨークで現代アートに触れ、夢が膨らんだ。高校では同じ夢をもつ仲間と出会い刺激を受け、美大に進み油画を専攻した。

 ○…卒業後は家業を継ぐために調理師免許をとったがその間も創作活動は続けてきた。旅館とともに営む食堂では「この場所でしか味わえないものを提供したい」と、大学時代に食べ歩いた手打ちそばに着目。秦野市内の蕎麦屋で修業生活を送った。店名の「太平楽」は、開店を前に父と決めた名前だ。「生まれ育った地域を大切にしたい」との思いから店内をギャラリーに見立てたアート展を開くようになった。地域の活動が縁で出会ったアーティストを招き店でライブを開くなど新たな顧客層をつかんでいる。

 ○…大学時代にひと目惚れした2歳下の後輩が奥さん。4人の子どもとお風呂に入る時間が楽しみで日中は手押し車に子どもを乗せて散歩するのが日課だ。地域の先人が伝承してきた2月の「世附の百万遍念仏」では、はまり役の「ひょっとこ」を演じる。伝統ある、あしがら青年会議所や山北町商工会青年部の一員として地域で活躍している。

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