県西地域県政総合センターから環境保全功労者の表彰を受けた 香川 勝利(しょうり)さん 大井町山田在住 90歳
「いい名前もらった」
○…大井町が年に二度、緑化推進のため自治会に配布している花苗を自宅で栽培してきた。サルビアやマリーゴールド、パンジーなど役場からの要望に応じて苗を揃える。「きれいだね、って言われるのが一番。花はいい」と優しく微笑む。その活動に対してこのほど、小田原にある県西地域県政総合センターが美化運動功労者として表彰した。「小田原へは久しぶりに行った」という。
○…大井町山田に鎌倉時代から続く家柄。1927年に養蚕業を営む農家の長男に生まれ、旧吉田島農林に進んだ。設立間もない職員5人の旧相和農協に勤めたが、タバコ栽培で多忙を極める父親を専業で手伝うようになった。相和村と大井町が合併すると農業委員になり、昭和40年代の東名建設では土地の多くを供出した。今は家で食べる野菜や花苗をつくり、春にはチューリップ畑に数千株の花を咲かせている。
○…名は“かつとし”ではなく「しょうり」と読み、軍医が名付け親という。「なかなか聞かない、いい名前をもらった」というが、勝ち負けを競うような人柄とは違い温厚。役場の担当者も「勝利さんみたいに歳をとりたい」という。「私より一つ上の人たちは戦争へ行った。昭和20年は出征つもりでいたけど突然戦争が終わった。こんなに長く時代が変わる様子を見ることができて嬉しい」
○…姉2人と弟妹7人の長男。孫やひ孫にも恵まれ盆暮れは親戚でごった返す。「この家の嫁は大変だけど昔から本当によくやってくれる」と奥さんへの感謝を口にする。町議を3期務め、10年前には旭日単光章の叙勲も受けた。運転免許を返納してから行動範囲は狭くなったが「百姓だから家にこもっていられない」。素手で農作業をして手に刺激を与えるのが「健康の秘訣かも」という。
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