第６回サマーバレエコンサートを開く、あしがらワイダンススタジオを主宰する 山口 直子さん 南足柄市塚原在住 66歳
「ゆっくり豊か」が幸せ
○…きょう４日に南足柄市文化会館でサマーバレエコンサートを開く。取材に訪れた日は本番を前にスタジオのレッスンにも力が入っていた。今年は山北町岸にスタジオを構えて10年になる節目の年。「早いですね。もうそのような年月に」。凛とした、たたずまいと柔らかな口調。ロシア式クラシックバレエを愛好する生徒が御殿場市などからも通っているという。
○…埼玉県生まれ。中学、高校時代は器械体操の選手だった。得意を生かして東京女子体育大学へ進学するも、アキレス腱を損傷してしまい、体操と関係が深いバレエの教師を志すことに。本格的にバレエスタジオの先生に学び、１９７９年には埼玉県で自らの教室を主宰。そのかたわら、ロンドンのバレエ学校を視察するなど精力的に活動する。都内でモスクワバレエアカデミー教師から教授法を学び、20年にわたってロシア国立ワガノワバレエアカデミーにも度々短期留学した。２００８年に現スタジオを開設。スタジオ運営をはじめ、後進育成や大人のためのバレエクラスなどを多彩に展開している。
○…「足柄地域は環境がとてもいい。山も空も大好き。不便な場所でもあるけれど、目的をもって通ってくれる人は貴重です」とにこやかに語る。「子どもたちと接するのが楽しみ。元気をいただいています。バレエから本物を知ってもらいたい。普通のことができるようになってもらいたい」
○…神奈川には結婚を機に来る。現スタジオのオーナーでもある、夫との食べ歩きや旅行が楽しみ。手作り派で数十年前に作ったバレエ衣装を大切に保管する。美味しいものが好きで、フルーツジャムやトマトソース、ピクルスなどの素材作りに時間をかける。普段はノーメイクだというその眼差しは深くて温かい。
