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公開日:2019.02.16

(一財)春めき財団
香りで「春」を感じて
桜の匂い クラシエの新商品に

  • 商品を手にする三嶽さん(中央)夫妻と古屋さん(右)

 クラシエホームプロダクツ(株)(東京都港区)の「いち髪」シリーズからこのほど、季節限定商品「シャンプー&コンディショナー(春めきの香り)」が発売された。パッケージには「売り上げの一部で(中略)一般財団法人春めき財団の活動を応援します」と記されている。早咲きの桜「春めき」の香りを世に広く知らせるきっかけになった、視覚障害をもつ三嶽正雄さん(72、秦野市)が9日に古屋さんを訪ね、商品の香りに触れた。

 春めき(足柄桜)は、財団の理事長を務める古屋富雄さん(66、南足柄市塚原)が2000年に品種登録した桜で、ソメイヨシノよりも早い3月中旬頃から咲きだす。たわわに花がつき、甘い香りのあるのが特徴。

 伴走者とともに長距離走のレースに出場する三嶽さんが、開成町の伴走者から「香りのある桜が咲く道がある。そこで練習しよう」と誘われ訪れたのが2011年。その時、はじめて“春めき”に触れ、その香りに魅了された。「練習そっちのけでした」と振り返る。

視覚障害者へ香りある桜を

 何とか桜を手に入れたいと造園業者などを当たったがわからずで、南足市役所を訪ね、当時、市の職員だった生産者の古屋さんと出合う。提供を受け最初に畑に植えた木は今では4m近くになるという。「他にも桜が植わっているが匂いがなく、自然と春めきに向かう。つぼみから待ち遠しい」とにこやかに話す。

 三嶽さんとの交流が進むなかで、古屋さんは、「香りで春を感じてほしい」と、県ライトセンターや全国の盲学校などに春めきの苗木を寄贈するようになる。18年1月には、視覚障害者への支援などを事業目的とする一般財団法人「春めき財団」を設立した。

 そんななか、香りに着目した都内の香料会社が春めきの香りを抽出。会社の提供先であったクラシエと試行錯誤を繰り返して香りを再現した。

 古屋さんは「三嶽さんとの出会により活動が広がってきた」と話す。商品に触れ、三嶽さんは「春めきの香りが再現されている」と微笑んだ。

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