2市5町を管轄する小田原市消防本部はこのほど、昨年1月1日から12月31日までの救急出動件数が1万6588件で、広域化した2013年以降で最多になったと発表した。
救急出動件数は2市5町で統計を取り始めてから最多の1日平均45・5件。利用者の多くは65歳以上で全体の約60%。全国的にも高齢化などで出動件数が増加傾向にある。
市町別では多い順に小田原市67%(1万1204件)、南足柄市11%(1842件)、大井町5%(866件)、開成町4%(737件)、松田町4%(719件)、山北町3%(641件)、中井町3%(566件)、その他は13件で、全体で昨年から559件増加した。
現在管轄内では10台の救急車両が稼働している。救急車を利用した人のうち入院を必要としない「軽症者」が約39%で、07年の55%から減少しているが、依然多くの割合を占めている。同本部では重篤な患者の搬送が行えるよう、急を要しない救急車の利用を控えるよう理解を求めると共に、早期に医療機関を受診することなどへの協力を呼び掛けている。
建物火災14件増火気扱いに注意
消防本部によると、昨年1年間に発生した建物火災は前年から14件増の53件で死亡者数は同9人増の10人だった。
なかでも小田原市内では今年に入り建物火災が相次いで発生。火災は空気が乾燥する1月〜2月に増え、特に1月は雨量が少なかったことなどもあり、死亡者数は5人にのぼった。同本部では火気の取り扱いや後始末に注意するようHPや広報などで呼び掛けている。
3月2日(土)には小田原ダイナシティウエスト1階(小田原市中里208)で消防フェスタ2019を開催する。消防車や救急車、支援車などが登場し、救護の体験、老朽化消火器の回収も行う(有料)。
同本部では、「必要な場合はためらわずに119番に連絡してほしい。火災はすべてを奪ってしまう。大事な人の命を守るためにも火災警報器は必ず設置してほしい」と話している。
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