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公開日:2019.05.01
南足柄市地蔵堂
秘仏150年ぶり御開帳に
来年11月実施に向け、準備始まる
南足柄市地蔵堂地区の通称「地蔵堂のお地蔵さん」で親しまれている曹洞宗足柄山誓光寺。同寺の木造地蔵菩薩立像と地蔵堂内厨子が2020年11月21日(土)・22日(日)に檀家(15軒)の人たちにより御開帳されることがわかった。一般公開されるのは約150年ぶりだという。
御開帳は60年に一度行ってきたと地域に伝えられているが、昭和に入ってからは記録に残っていないという。「古老などへの聞き取りから、およそ150年ぶりだと思います」と説明するのは、御開帳実行委員長の佐藤廣理さん。同じ実行委員の和田博文さんと昨年4月頃に地域振興などについて話していた時に御開帳を長らくしていないことがテーマになった。「改元もあり新しい時代になる。お地蔵さまにもこの社会を見てもらおう」ということになり、檀家の承諾を経て、実現に向けて動きだした。前例がないこともあり、近隣のお寺などを訪ねて調べ、事前準備を進めてきた。
御開帳される本尊の「木造地蔵菩薩立像」は、高さが約160cmで南北朝時代末から室町時代初期の作と推察されている。地蔵菩薩が納められている「地蔵堂内厨子」は室町時代末期の作で、三間(さんげん)四方の入母屋(いりもや)造りの屋根に軸部を禅宗様、軒を和様とした折衷様式。ともに県指定の重要文化財。
本堂は1841年(天保12年)に編集された「新編相模国風土記稿」によると、1817年(文化14年)に火災に遭ったがその後、再建。1975年(昭和50年)にも焼失したが、住民の手によによって本堂内の厨子と本尊や他の仏像がすべて救い出されている。
令和の大事業
「誓光寺は市内の寺院のなかでも古いがあまり知られていない。ここは奈良・平安時代には東国と西国を結ぶ官道沿いにあり交通の要所でもあった。御開帳で多くの人に関心を持ってもらい高齢化が進む地域の活性化につなげたい。また、次世代へと引き継いでいきたい」と佐藤さん。地域挙げての令和御開帳へのカウントダウンが始まった。
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