NPO法人アシガラパートナーズ理事長を務める 北村 和士さん 松田町神山在住 41歳
人と地元存続の架け橋に
○…「地域活性化の力になりたい」。地元で開かれるイベントの企画・運営や、ふるさと納税事業に取り組むNPO団体の理事長に、8月就任した。「足柄上地域の中にも、20年後には消滅する可能性があるとされる場所がある」とし「この地域が未来も残り続けるよう、事業に力を入れていきたい」と意気込む。
○…松田町出身。農家の一人息子として生まれ、4年間の学生時代を除き、幼少期から現在まで地元で過ごしてきた。「昔から大勢の中に入り込んで何かをやることが苦手」といい、小学校から高校までは個人の取り組みが重視される剣道にひたすら打ち込んだ。大学卒業後は箱根町役場に就職するも「人生一度きり。やったことのないことに挑戦したい」との思いから退職。一般企業、アシガラパートナーズの前身「松田活性化協会」の事務局長を務めるなどして今に至る。
○…「自分が生まれ育った地で何かやってみようと思ったのは、松田町の本山博幸町長がきっかけ」。地域のために一生懸命働く姿に心を打たれたといい「自分も実働を通じ、地元を応援したい気持ちでいっぱいになった」と振り返る。過去には組織の活動が理解されず、地域の人から叱責を受けたこともあるが「逆に自分のモチベーションにつながり、組織をここまで大きくすることができた。叩いてくれたことに感謝している」とはにかむ。
○…6月には子どもが生まれ、妻と3人で暮らす。子どもが成長する姿を見るたびに「将来、この地で息子が生活する上で困らないよう、自分が今しっかりと取り組まなければ」と親心がにじみ出る。「地域の活性化には多くの人の力が必要」。安心して暮らせる地域の存続を目指し、今日も活動に精を出す。