国が昨年行った「第21回国勢調査」で、神奈川県内の市区町村別の人口増加率が最も高かった開成町と、減少率が最も高かった山北町。県西地域で明暗が分かれる中、本紙では足柄上エリアの1市4町を対象に、特に直近の転入出の状況について調べた。
1市4町の状況をみると、人口の転入出先はいずれも小田原市が中心だ。転出理由は、鉄道5社6路線が乗り入れるなど、通勤・通学などで都心部へのアクセスが良好な点や大型商業施設が揃っているなど、日常生活における利便性の高さがあると推測される。
一方、小田原市から各市町への転入は住居費を挙げる声があった。山北町へ引っ越した30代の男性は「地元勤務の車移動なので、どちらでも良かったが、自分の見た所では同じ負担でも山北町はより広い物件だったことが大きい」と話す。
特徴的だったのは開成町への転入元で、小田原市や南足柄市が上位なのは他と同じだが、これらに交じって東京都が上位に含まれていた。転入元の6番目には静岡県が続き、居住先として都市部や県外の人からも魅力的に映っていることが読み取れる。町は今後は人口の中身に着目していく方針だと言い、担当者は「特に人口の年齢バランスを意識し、超高齢社会に対応できるまちづくりを推進したい」とする。
若者獲得へ注力の山北
開成町を除けば、1市4町の転入出は、前述の小田原市などいずれも近隣エリア内が目立つ。移住・定住の促進に力を入れるも、転出超過が続く山北町の担当者は「子どもの医療費の助成など、若者や子育て世代が住みたくなる環境を実現させるための支援事業に取り組んでいきたい」と話している。
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