任期満了に伴う松田町長選挙は9月5日に投開票され、現職の本山博幸氏(51)が新人で元教員の吉田功氏(61)との一騎打ちを制し、3選を果たした。当日有権者数は9375人。投票率は65・61%で、過去最低だった前回を5・57ポイント上回った。
選挙戦で本山氏は、松田小学校建て替え、町民文化センター改修、旧土木事務所リノベーションなど「積み残されていた課題に確実に取り組んできた」と2期8年の実績を強調。3期目を目指すにあたり「最優先はコロナ対策と地域経済の再生」とした上で、町づくりの面で最終的に進めるのが新松田駅の北口駅前広場整備・集約ビル整備・小田急新松田駅橋上駅舎等整備と訴えた。
接戦も予想されたが、開けてみれば800票差と本山氏が地力を見せつけ、支援者らは「民意が出た」と歓喜した。
吉田氏は、特に駅周辺整備について「町の財政規模に合わない」として駅前広場整備の推進までと主張。このほか寄地区の総合センター新設、松田中学校の建て替え計画策定などを掲げていたが及ばなかった。
5日午後10時ごろ、テレビで当選確実が報じられると、事務所の支援者の前に姿を現した本山氏は「消滅可能性都市と言われたことを忘れてはいけない。課題は駅だけでなく、生命と財産を守るコロナ対策、経済と暮らし、寄の振興など山積。子どもたちの未来のため、情熱を持って進めていく」と頭を下げた。会場には近隣市町の首長らが駆け付け、3選を祝した。同じ頃、吉田氏は「粘り強くあきらめず、闘い続けることが必要だと思う」と声を絞り「組織づくりで出遅れた。自分の政策が届き切らなかった」と振り返った。
本山氏「丁寧に」
新松田駅周辺整備を巡っては今年3月、議会が一般会計予算案から関連予算を削除した修正案を可決している。
これまで、町民の声を受けて、当初の慎重派から推進派に回る議員もいたが「民意を見て」と判断棚上げの議員もおり、議会が割れた状態での選挙だった。
今後の町政運営について本山氏は「(吉田氏の得票)2626票の声も両耳で聞いて進めていく。議会、地権者、関係機関の皆さまのご理解を頂きながら、とにかく丁寧に」と繰り返した。
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