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公開日:2022.03.05
九十間土手
80周年で行事計画中
住民有志「大切さを後世へ」
酒匂川に残るかすみ堤のうち、吉田島先の右岸にある九十間土手が今年、修堤から80周年を迎えることに合わせ、開成町など近隣の住民有志らが記念行事を計画している。歴史的文化遺産でもあるかすみ堤の重要性を広く知ってもらい、後世につなげるのが狙い。
かすみ堤は堤防のあるところに開口部を設け、下流側の堤防を住居側に延長させることで、開口部の上流の堤防と二重にした不連続な堤防のこと。その歴史は古く、武田信玄が考案したとされている。役割は河川氾濫時に洪水を一時的に遊水地へ導くこと、上流で越水・破堤した洪水を本流に戻すこと、水が減った後、遊水を本流に戻すことなどがある。
急流河川の治水方法としては合理的とされ、江戸時代、酒匂川にもたくさんのかすみ堤があったという。しかし、近年はコンクリートによる護岸の建設に伴って危険度が少ないエリアから消されるとともに、遊水地だった場所は、人口増加などで活用が進んだ。結果、現在酒匂川に残るのは、九十間・曽比・中曽根の3カ所になっている。
一斉清掃など検討
この内、九十間土手は、1938年の6月中旬から7月にわたる長雨の影響で崩れたが、地域住民らと各所からの応援隊の必死の作業もあり、中堤防で食い止めた歴史がある。その後修堤され、今年が80周年だ。
自然災害を最小限に抑えるために努力してきた先人の知恵や技術、水防への意識を持ち続ける重要性を伝えようと活動する団体の一つ「かすみ堤を守る会」。雑草や木で堤防が覆われると、景観を損なうばかりでなく、その機能を十分に発揮できないため、春と秋の年2回、会のメンバーを中心に仲間を募り、積まれた石の間の雑草取りや周辺の草刈りなどの作業に取り組んでいるという。
行事を計画する住民たちは「コロナもあり何かと難しいが、80周年の節目をきっかけに、かすみ堤を知り、考え、守る機会を作りたい。こどもから大人まで地域に呼びかけて、秋ごろにはみんなで一斉清掃作業などができれば」と話している。
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