県立生命の星・地球博物館学芸員で南足柄市立図書館で開催中の昆虫展に協力した 渡辺 恭平さん 南足柄市在住 36歳
永遠の昆虫少年
○…ミニミニ昆虫展(9月18日まで開催)の協力は2年連続。展示する標本はすべて自身で採集したもので昨年の110種から、今年は170種超を用意した。自宅付近で採集したものもあり、「身近で出会える」とした展示テーマも含ませた。出会える難易度でレア度をつけて、子ども達の興味を引く仕掛けもあり、「虫への興味をきっかけに本で調べることの面白さに気づいてほしい」と期待を寄せる。
○…横浜市出身。乗車を楽しむ鉄道ファンの「乗り鉄」だったが、幼少期に捕まえたクワガタとの出会いで関心は一気に昆虫へ傾いた。成人になっても探求心や興味は衰えず、「底なしです」と笑う。普段は、県立生命の星・地球博物館の学芸員でヒメバチの研究に没頭する。見たい、知りたいと思うままに過ごすと「趣味と研究の区別ができない」と言い、料理や食べ歩きでリフレッシュを図る。家族は妻と長男の3人。
○…昆虫は植物や気候と密接な関係にあり、「自然を映す鏡」と説く。豊かに見える足柄地域でも近年生息を確認できなくなった昆虫もいるとして将来を憂う。博物館や図書館の存在意義についてを「未来への投資」と表し、次代を見据えて生き物や自然に向き合える子ども達の育成を望んでいる。
○…会期中に、昆虫に関する疑問に答える「わたなべ先生に聞いてみよう」と題した催しも今年初めて企画された(8月9日・午前10時〜11時)。夏休み中とあって「どんな質問が飛んでくるのかな」と子ども達の着眼点を楽しみにしている。一方で、平日の昼間に自宅付近で網を握って虫を追いかけることもあるといい、「地域の皆さんに好奇の目で見られていたら、誤解をときたい」と笑う。