足柄 人物風土記
公開日:2022.11.12
松田町で12月3日に開催される町民大学で講師を務める
青山 仁美さん
松田町在住 34歳
多文化共生への熱意胸に
○…神奈川県内に暮らす外国人は22万人超。全国でも有数の多さだ。12月に松田町内で開催される第5回町民大学で講師に初挑戦する。テーマは、互いの文化の違いを認め合う「多文化共生社会」を築くには何が必要なのか。JICAの海外研修に参加した経験から、町から打診を受けた。「ワークショップなどを通じて、価値観の違いを知ることの大切さを伝えたい」。穏やかに語る声の中に熱意が宿る。
○…横浜市出身。山梨の大学で美術教育を学んだ。海外旅行が好きで、欧州の教育にも見聞を広めたいと、学生時代にドイツの大学で半年間の交換留学も経験。言語の壁に苦しんだが、それでも「いろんな国の友人が増えてうれしかった」。人種も文化も超越して絆を育む。その喜びに打ち震える日々だった。
○…新卒で県内の小学校教諭になってからも国際交流への情熱を持ち続け、4年前にはJICAの教員向け研修に参加し、ブラジルへ。2週間にわたり、現地の小中高校などを見学した。学校は業者が清掃するのが当たり前というブラジルで「日本では児童が毎日教室を掃除しています、と伝えたら、ブラジル人たちが皆ショックを受けていた」。常識の違いを実感した瞬間だった。「自分が当たり前だと思っていること疑い、問い直す」。それが国際理解のために重要だと学んだ。
○…結婚を機に松田町に移住して4年目。現在は育休中で、1歳の娘の育児に奮闘する母でもある。地域のボランティア活動にも積極的で、昨年は小学生向けに学習の場を提供する町のジュニアリーダースクール事業に講師として参加。SDGsをテーマに子どもたちの理解促進に尽力した。「今後も、地域の皆が交流を深められるような場をつくっていきたい」
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